【エリコ(ヨルダン川西岸パレスチナ自治区)大治朋子】イスラエルが占領するヨルダン川西岸パレスチナ自治区エリコ市にあるウマイヤ朝時代(7〜8世紀)の代表的イスラム建築「ヒシャム宮殿遺跡」が、日本の支援で保護、公開される。中東最大級とされる遺跡内大浴場のモザイクは現在、布などで覆われ鑑賞できないが、保護施設を設置。早ければ2018年秋にも一般公開し、観光促進を目指す。
宮殿は、当時のイスラム指導者が冬の別荘として建設。その後の地震で破壊されたが、がれきなどで埋まったモザイクが結果的に保存され、20世紀半ばに発掘作業が始まった。
現在、窓越しに唯一公開されているのが謁見室にあるモザイク「生命の樹」。樹の左に鹿2頭、右側にライオンに食べられる鹿1頭が描かれている。当時の主はこのモザイクの左側の椅子に「信頼する人」、右側に「注意すべき人」を座らせたと伝えられる。
大浴場のモザイクは保護のため布や砂で覆っているが、観光客が無断ではがすなどするため劣化や損傷の原因になっていた。国際協力機構(JICA)を通じた日本の支援で、モザイク(計約825平方メートル)を覆うドーム型シェルターを作る。
観光促進は、日本が2006年に提案したパレスチナ経済の自立を目指す「平和と繁栄の回廊」構想の一環。大久保武・パレスチナ関係担当大使は6日、薗浦健太郎副外相立ち会いのもと、パレスチナ自治政府に対し、シェルター建設費などとして12億3500万円を限度とする無償資金協力を実施するとの書簡に署名した。
エリコ市は世界最古の都市とされる。市内にはイエス・キリストが「悪魔の誘惑」を受けながら修行したとされる「誘惑の山」がある。
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