31 8月 2025 - 08:35
Source: Parstoday
レバノン人アナリスト:「西アジア・イスラム世界間の関係の主役はイラン」

レバノンの政治アナリスト、エリアス・ムール(Elias Murr)氏が、「過去20年間のイランの外交政策においては実用主義が顕著な特徴であった」と指摘し、「イランは近隣諸国との関係において柔軟性を示し、対話のチャンネルを開いてきた」と語りました。

 ムール氏は「イランの平和外交」について「過去20年間でイランの外交政策はますます実用主義へと傾き、アラブ・イスラム諸国に対して重要かつ建設的な役割を果たしてきた。その明確な例として、パレスチナ問題などの重要課題への支援、シオニスト政権イスラエルに対する抑止力の強化、そしてイラクとレバノンの安定確立への参画が挙げられる。さらに、イランはサウジアラビアに対しても和解と友好をベースとした政策を踏襲してきた」と述べています。

また「イランはイスラム革命勝利を達成した1979年以来、西アジアとイスラム世界の関係において主要な役割を果たしてきた。学術的観点からイランの外交政策を詳細に評価すると、特にイスラム世界の主要かつ重要な問題の支援、地域的バランスの修正、対話と和解への新たな経路の開拓という点で、多くの肯定的な点が明らかになる」とコメントしました。

さらに「イランはイスラム革命の勝利以来、パレスチナ問題に関して抵抗運動への支援や『イスラエル』承認への反対、そして1979年の世界ゴッズの日をシオニストによる占領行為への対抗を目指すイスラム教徒の団結の象徴と宣言するなど、一貫した姿勢をとってきた」と指摘し、「イランのこの立場は、パレスチナ問題に無視できない精神的、大衆的な正当性を与えている」と強調しています。
 

イランは地域的抑止力の秤

ムール氏はまた、地域における抵抗運動に対するイランの支援について言及し、「レバノンのイスラム抵抗組織ヒズボッラーに対するイランの支援は、イスラエルと対峙する抵抗勢力の強さを形作る主要因であり、この支援の影響は2006年夏の戦争において明確に現れた。この戦争において、ヒズボッラーはイスラエルの軍事力に見事に抵抗した」と述べました。

また「イランはイラクにおいては2014年以降、テロ組織ISISとの戦いにおいてイラク中央政府と民兵組織ハシャドアルシャビ(人民動員軍)を支援しており、この支援がイラクの崩壊のみならず、リビアの同様の崩壊シナリオの繰り返しを防ぐ主な要因となった」と語っています。
 

サウジアラビアとの和解:戦略的進化

さらにムール氏は「2023年3月のイラン・サウジアラビア合意は、地域政治の転換点でもある。イエメン紛争、バーレーン、シリア、レバノン情勢において長年にわたり断絶と激しい緊張が続いた後、イランとサウジの和解は、両国が緊張の激化を緩和し、正常な競争への転換の必要性を認識したことを示しており、これは対話と外交に向けたイランの柔軟性と準備の高まりを反映している」と述べました。
 

国際的な勢力に対する均衡

ムール氏は最後に「別の角度から見ると、イランの役割は地域の支配を目論む外国の試みに対抗する上での均衡を維持する要素と捉えることができる。つまり、2003年の米国のイラク侵攻以来、米国は自国の利益にかなう地域システムをイラクに構築しようとしてきたが、イランの影響力拡大は外国の一方的な計画を阻止する上で奏功し、イランは地域の意思決定に独立した立場で参画することに成功した」と結びました。

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