11 10月 2025 - 22:09
Source: Parstoday
ガザ停戦合意がハマスにとって大きな勝利となる理由とは?

2023年に10月7日に始まったパレスチナ・ガザ地区での大量虐殺が3年目に突入して間もなく、エジプト、トルコ、カタール、米国の関与のもと、両交戦勢力であるパレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスとシオニスト政権イスラエルが間接交渉を通じて停戦合意に達し、遂にガザ戦争は正式に終結しました。

ガザ紛争終結合意は、様々な理由からハマスの勝利及びイスラエル側の敗北と見なされています。イスラエル政権は、ハマスの壊滅とガザ占領を目指し、2年間にわたり前例のないジェノサイドを繰り返してきました。しかし、開戦から2年が経過した現在もハマスは壊滅しておらず、イスラエルは戦争終結のためにハマスとの合意に追い込まれた形となっています。

一方、戦争の終結を受けてガザへの難民帰還の波も始まって​​おり、他地域へのガザ住民の強制移住やガザ完全占領といった計画も破棄されました。

今回の合意の一部の条項は、ハマスにとっても重要な成果と言えるもので、シオニスト捕虜20人の釈放を引き換えに、終身刑に服している250人を含む約2000人のパレスチナ人捕虜が釈放されることになります。この条項が合意に至ったのは、この2年間の戦争中にネタニヤフ・イスラエル首相が軍事行動によりシオニスト捕虜を解放しようと試みたものの、最終的には政治的合意の受諾に追い込まれた中でのことです。

この合意に基づき、シオニスト軍はガザ占領地から撤退しなければなりません。ネタニヤフ首相とその内閣はガザの完全占領を最重要目標としていたことから、これは重要な成果だと言えます。

この合意におけるもう一つの重要な条項は、パレスチナ人によるガザの行政・運営管理です。イスラエル占領地内の反ネタニヤフ派は、パレスチナ人によるガザ行政運営への同意が米国とイスラエルによるパレスチナ国家承認を意味することになるとし、事実上ネタニヤフ批判派は、合意のこの条項が、独立国家パレスチナの樹立に向けた世界的な努力の成功を意味すると考えています。

そして。もう一つの重要な問題はハマスの武装解除です。米国とイスラエルはハマスに武装解除を求めているものの、この問題については合意に至っていません。ハマスのハゼム・カセム報道官は「当組織は武器を放棄せず、パレスチナ人を守るために武器を使用する」と表明しています。

ここで重要なことは、米国とイスラエルが信頼できる存在ではなく、シオニスト捕虜の釈放後にハマス壊滅とガザ完全占領を狙って対ガザ戦争を再開する可能性が強く懸念されることです。

米国とイスラエルに対する不信感は既に定着している問題ではあるものの、現在の合意を破棄して新たな合意を開始させることは、アメリカの国際的な地位に深刻な打撃を与えると見られます。同時に、ハマスは武装解除されておらず、シオニストとの戦いを継続できることから、ハマスの軍事状況には全く影響しないと考えられます。

そして最後に指摘される点は、ガザ紛争が10月に終結したということです。「アクサーの嵐作戦」と称して始まった、パレスチナによる対シオニスト作戦の火蓋は2023年10月7日に切って落とされ、またイスラエル軍の勝利ではなく、ガザの人々の抵抗と忍耐によって戦争終結に至った形となっています。

今回の合意について、ハマスの幹部マフムード・マルダウィ氏は「ガザは粘り強さと団結で勝利し、自らの意思を圧制的な敵に強要した。停戦合意は誰かの好意によるものではなく、ガザの市民、特に戦闘員らの伝説的な忍耐力の結晶であり、一昨年10月7日の壮大な出来事を生み出した偉大な自己献身と英雄的行為の賜物である」とコメントしました。

Your Comment

You are replying to: .
captcha