28 7月 2016 - 14:02

【カイロ=大内清】国際テロ組織アルカーイダ系でシリアを拠点とする「ヌスラ戦線」のトップ、アブームハンマド・ジョラニ容疑者は28日、アルカーイダ本体との関係を解消すると宣言した。カタール資本の衛星テレビ局アルジャジーラが同容疑者のビデオ声明を放映した。

ヌスラ戦線は、米国やロシアから、イスラム教スンニ派過激組織「ダーイシュ」(IS)と並ぶ攻撃対象とみなされている。表面上はアルカーイダへの忠誠を放棄することでシリア反体制派との連携強化を図りやすくするとともに、国際社会からの圧力回避を狙っている可能性もある。

 ジョラニ容疑者は声明で、「いかなる外部勢力とも関係を持たない」と説明。今回の動きはアルカーイダの指導者、アイマン・ザワヒリ容疑者の理解も得られたとして謝意を示した。また、組織名を「シリア征服戦線」と改称するとも述べた。

 ヌスラ戦線は、シリア内戦発生後の2012年初めごろに台頭し、13年にアルカーイダへ忠誠を誓った。内戦が泥沼化する中、反体制派の一翼として勢力を拡大させる半面、外国人誘拐や政府支配地域での自爆テロなども繰り返してきた。

 他方、ヌスラ戦線は、もともとは同じアルカーイダ系だったISとシリアでのジハード(聖戦)の主導権をめぐり対立。仲裁にあたったアルカーイダが14年、シリア国内の活動をヌスラ側に一本化するとしてISを破門した経緯もある。

 ジョラニ容疑者の声明には、アルカーイダとの関係解消が“円満”であると強調して求心力を維持するとともに、ISの傘下に入る意思はないことを示す目的もあるとみられる。

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