主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)は26日午前、議長の安倍晋三首相が三重県伊勢市の伊勢神宮に各国首脳を出迎え、開幕した。国内開催は2008年の北海道洞爺湖サミット以来8年ぶり。27日に採択される首脳宣言の概要が判明し、焦点の世界経済を巡って「財政上、金融上、構造上の政策の重要な役割を再確認する」と記し、G7が「成長を支える強固な対応を講じる用意がある」との姿勢を明記することが分かった。
首脳宣言では、金融政策、財政出動、構造改革の三つの政策手段を総動員するG7版「三本の矢」で経済を下支えする方針を明記する。中国など新興国の景気減速が続く中、G7が世界経済のけん引役となることをアピールする。
政府関係者によると、世界経済では、財政出動について機動的に取り組む方針を確認しつつ、構造改革も果断に進めることを示す。財政出動に慎重なドイツや英国に配慮するが、安倍首相が財政出動の必要性を強調しており、26日午後に予定される議論で表現を強めることも検討する。
また、世界経済の現状については、6月23日に英国で行われる欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票などを控え、下振れリスクが高まっているとの認識を共有し、結束をアピールする。首相は25日のオバマ米大統領との共同記者会見で「世界の持続的かつ力強い成長をG7でけん引しなければならない」と強調した。
これに関連し、オバマ大統領は25日の首相との会談で、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の発効手続きが遅れている問題について、「自分の在任中に責任を持って結論を出す」と明言した。
一方、タックスヘイブン(租税回避地)の実態を明らかにした「パナマ文書」問題を踏まえ、課税逃れや腐敗防止策についても独立した付属文書で行動計画をまとめる。節税目的で設立されたペーパーカンパニーの所有者特定を促し、関係国の捜査機関が情報共有する仕組みを盛り込む。
パナマ文書問題では、世界中から租税回避地に多額の資金が流れ、税制をゆがめている現状が明らかになっただけに、発展途上国も加えた幅広い取り組みを目指すことを明記する。テロ組織や犯罪組織の資金隠しやマネーロンダリング(資金洗浄)の防止策も盛り込む。
また、途上国で横行するインフラなど政府調達に関する汚職を防ぐため、国際競争入札などの契約データの公表を促す。
サミットは三重県志摩市の志摩観光ホテルを主会場に2日間の日程で開かれる。テロ対策や難民支援、南シナ海問題も議論し、27日午後に首脳宣言や付属文書を採択して閉幕する。27日には、アジアやアフリカの7カ国首脳、国連の潘基文(バン・キムン)事務総長らを招いた拡大会合を開き、海洋安全保障や開発問題について意見を交わす。【小倉祥徳、田所柳子】
サミット参加者
G7首脳
日本=安倍晋三首相▽米国=オバマ大統領▽フランス=オランド大統領▽ドイツ=メルケル首相▽英国=キャメロン首相▽イタリア=レンツィ首相▽カナダ=トルドー首相▽欧州連合(EU)=トゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)、ユンケル欧州委員長
拡大会合
チャド=デビ大統領▽インドネシア=ジョコ大統領▽スリランカ=シリセナ大統領▽バングラデシュ=ハシナ首相▽パプアニューギニア=オニール首相▽ベトナム=フック首相▽ラオス=トンルン首相▽国連=潘基文(バン・キムン)事務総長ら