この記事ではトルコの最新情勢として、イマモール・イスタンブール市長の逮捕に対するトルコ国民の抗議の継続、同氏が次期大統領選のCHPの最終候補に選出されたこと、トルコでの抗議デモに対するフランスの反応、そしてイマモール氏が獄中から支持者に送ったメッセージなどを取り上げます。
トルコ国民がイスタンブール市長の逮捕への抗議を続行
トルコの政治・社会活動家らは今月23日、SNSに動画を投稿し、イマモール氏の逮捕に対する新たな形の抗議活動の実態を明らかにしました。トルコ市民はこうした抗議行動の中、自宅で鍋やフライパンを叩いたり、電気をつけたり、「権利、人権、正義」というスローガンを連呼するなどして、イマモール氏の逮捕への反対を表明しています。このスローガンはトルコ野党の間でよく使われるもので、正義と権利の要求を意味しています。トルコでは最大都市イスタンブールに加え、他の複数の都市でもイスタンブール市長の逮捕に抗議するデモが行われました。
イマモール氏がCHP最終候補に
トルコ最大野党CHP共和人民党は、最近逮捕されたエクレム・イマモール氏を同国の次期大統領選挙の最終候補として発表しました。党内選挙の結果によれば、イマモール氏は1321万1000票を獲得しています。現エルドアン・トルコ大統領の最大の対抗馬とされ、野党の要人でもあるイマモール氏は今月19日、汚職及びテロの容疑でトルコ政府に逮捕・拘束されました。これは、CHPがイマモール氏を2028年の大統領候補に指名するわずか4日前のことです。
イマモール氏が獄中から支持者にメッセージ発信：「党内選挙への参加率は前代未聞」
拘束中のイマモール氏はメッセージの中で、CHP党内選挙の投票率が「前例のない」レベルに達したと発表しました。また、「1500万人の国民が投票した。抑圧、破綻した経済、政策の失敗、無法ぶりに苦しむ我が国の数百万人もの国民がすぐさま投票所に行き、エルドアン現大統領に『もうたくさんだ』と訴えた」と述べています。現在拘留中のイマモール氏は、今回の選挙におけるCHPからの唯一の候補者であり、国会議員360人の承認を得て早期選挙が実施されれば、次期大統領選挙でエルドアン現大統領の最大のライバルになるとみられています。
トルコの抗議活動にフランスが反応
フランス外務省はイマモール・イスタンブール市長の逮捕・拘束に対するトルコ国民の抗議に反応し、「EUとトルコ政府の関係における重大な要素は野党メンバーの権利保護である」と発表しました。フランス外務省報道官は今月２３日、イマモール氏及び他のトルコ政治家の停職と拘留を「民主主義に対する重大な侵略である」と述べています。
トルコで市長3人が一時解任
トルコ内務省は今月19日、現在逮捕中のイスタンブール市長エクレム・イマモール氏を一時的に解任したと発表しました。トルコ内務省はまた、ベイリクドゥズ市のドズ・ムラト・チャリク市長とシシュリ市のラスル・ウムレシャハン市長も職務停止にしたと発表しています。なお、トルコ警察はこれまでに国内の抗議活動で数百人を逮捕しました。
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