25 10月 2025 - 21:25
Source: ABNA
在イラク米国代表は何を求めているのか?

イラクでの政治競争が激化するにつれ、アメリカ特使がイラクという政治の舞台にどのような計画を持ち込もうとしているのか、という疑問が浮上しています。

ドナルド・トランプ米大統領は今年、知名度の高くないイラク系資本家のマーク・サワヤ(Mark Savaya)氏をイラク特使に任命しました。

 イルナー通信によりますと、サワヤ氏はアメリカのSNSインフルエンサーのリストにも名を連ねていますが、イラク政界ではこの人事に対し、大きな反発と激しい議論が沸き起こっています。

複数の有識者らによれば、元々外交官ではないイラクのカルデア系キリスト教徒出身のマーク・サワヤ氏が、ドナルド・トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏とともに米大統領イラク特使に就任したことで、イラクにおけるゲームのルールを自らにとって有利な方向に変えようという米国の試みが露呈した形となっています。

イラクの多くの政治活動家の間では、マーク・サワヤ氏が、アフガン特使として同国の情勢を混乱に陥れたザルメイ・ハリルザド・アフガン特使や、トランプ大統領が任命したレバノン特使で、レバノン国内の緊張をエスカレートさせた同国出身の外交官トム・バラック氏と同じように、しかもサワヤ氏とクシュナー氏はイラクでもっと大規模な行動に出るのではという可能性が懸念されています。

イラク戦略研究センターのジュマ・アル・アトワニ(Juma al-Atwani) 所長の見解では、アメリカはこれまでと同様に、イラク新政府樹立のための連合形成の過程で特使を派遣し、間違いなくこの政治ゲームに参入して、アメリカの政策に沿った政治連合と将来のイラク政府の形成を狙うだろうと考えられています。

アル・アトワニ氏はまた「シーア派の政治潮流は、アメリカが行ったこのゲームを繰り返すことを学習し、新しいシナリオを考案しており、それは恐らくは抵抗勢力に近い複数の小さな政治的潮流を犠牲にしアメリカに追従させることでそれらを迂回して新政権を樹立させることだと思われる」と見ています。

さらに、今回の選挙の成り行き行方については楽観的であるものの、同時に多くの課題と問題が待ち受けていることも強調しています。もっとも、これらの課題は過去の選挙が今回よりも大きかったかもしれないが、イラクは政治潮流が必要な成熟度に達していたためそれらを克服できていた、とみています。

イラク第6回議会選挙では、有権者数は1200万人以上とされ、7926人の候補者が329議席を争うことになっています。2021年の選挙とは異なり、イラクの各州が1つの選挙区とみなされるため、複数選挙区制を採用していた前回選挙のように、議員が票を失うことはないだろうと考えられています。

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