25 10月 2025 - 21:23
Source: Parstoday
脆弱な停戦:ガザ和平の将来を楽観視できない理由とは?

シオニスト政権イスラエルがガザ停戦を遵守せず、この小さな区域の住民に対する殺戮と大量虐殺に手を染めたことからガザの未来は先行き不透明となっています。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いるイスラエル政権は、トランプ大統領のガザ計画を長期的な安全保障を確保するための決定的な一歩と捉えている。抵抗勢力の完全な武装解除と軍事的脅威の再発防止は、イスラエル軍のガザからの段階的な撤退の前提条件となる。

 メフル通信によりますと、ネタニヤフ・イスラエル首相は去る9月29日に米ホワイトハウス記者会見した際、ガザを恒久的な安全保障地帯に維持した上での「非武器地帯」にすべきだと強調していました。一方、パレスチナ・イスラム抵抗運動ハマスはこの計画をイスラエル政権による占領の終結ではなく、その支配の継続と解釈しています。

カタール首都ドーハ及びトルコ・イスタンブールにいるハマス指導部は、イスラエル軍の完全撤退が保証されていないこと、そしてパレスチナ自治政府の役割が限定的であることを理由に、これを「交渉の機会」と捉えています。2023年と2025年の停戦の失敗のような歴史的経験を根源とするこうした対立により、停戦協定は脆弱な合意へと化しました。こうした矛盾した解釈は、計画の第二段階の進展を阻むだけでなく、イスラエル政権がメディアと外交手段を用いて自らの立場正当化を狙うという新たな緊張を生み出す可能性を秘めている。結局のところ、この停戦は和平ではなく、初戦は一時的でリスクの高いものと考えられています。

口実探し:シオニスト政権の一貫した和平破壊政策

ガザ停戦の実施において重大な点の一つは、イスラエル政権がシオニスト捕虜の遺体の引き渡しをめぐりあれこれ口実を設けていることです。トランプ米大統領による計画の第一段階の合意では、ハマスは今月13日までに死亡した捕虜28人の遺体を返還する義務があったが、実際に返還されたのは9体で、残りはガザの廃墟に埋もれたままとなっています。ハマスは「イスラエル側の爆撃による瓦礫の掘削・撤去には特殊な機材が必要だ」と表明していますが、イスラエル側はこれを「約束不履行」と解釈し、人道支援のためのガザ南部ラファ国境検問所の開設を渋っています。

ネタニヤフ首相が「防衛策」として正当化するこのアプローチは合意違反であるとともに、ガザ地区の民間人の苦しみを助長しています。それは、国連が警告している「発生しつつある飢餓」です。ハマスはまた、全く関係のないのない、あるいは手錠をかけられたパレスチナ人の遺体を送還しているとしてイスラエルを非難しており、この悪循環により事態が複雑化しています。イスラエル政権が御託を並べている理由は、交渉における優位性維持というこの政権の戦略に根差しているとともに、イスラエル側に信頼構築への真の意欲が欠如していることを物語っています。シオニスト捕虜の家族イスラエル占領地内で抗議行動に出ている一方で、ガザ住民は人道危機に直面しています。こうした矛盾により停戦は政治的駆け引きと化し、恒久的な和平は望み薄となっています。それは、あらゆる遅延は合意違反の可能性をまねくからです。

抵抗勢力の武装解除:百年河清を俟つイスラエル

ハマスの武装解除はトランプ米大統領の計画の第2段階の中核を成す一方で、中期的なガザ停戦確保における主要な障害の1つとなっている。ネタニヤフ首相とトランプ大統領は、トンネルや攻撃兵器を含むハマスの軍事インフラの完全破壊を主張していますが、ハマスはこれを「抵抗勢力のイデオロギーの破壊」だとしています。ECFR欧州外交評議会の西アジア・北アフリカ上級政策フェロー、ヒュー・ラヴァット(Hugh Lovatt)氏をはじめとする専門家は「ハマスは内戦中に数千人の新メンバーを獲得しており、パレスチナ国家樹立の保証がなければ武装解除を拒否するだろう」と警告しています。

一方、ガザにおけるハマス・イスラエル間の最近の衝突は支配権奪還の試みを示しているとともに、軍縮の精神にも反しています。この挑戦は技術的かつ、政治的なものでもあります。この状況からして、停戦はあくまで一時的なものとなり、ハマスは過去と同様にイスラエル政権にとって継続的な脅威であり続けると言えるのです。

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