3 9月 2016 - 05:21

 イスラムの教えや風習について理解を深めてもらうための情報発信拠点となる「日本イスラーム学術会議」が今秋にも、藤沢市の慶応大SFC研究所イスラーム研究・ラボに設立されることになった。過激派組織「ダーイシュ」(IS)によるテロなどを受けムスリム(イスラム教徒)への偏見が広がっているとして、自身もムスリムの同ラボ代表、奥田敦・総合政策学部教授が中心となって準備を進めている。【福永方人】

 同会議はムスリムと平和な共生関係を築くための実践的な学びの場と位置づけられ、今月6日に国内各地のモスク関係者らが同大湘南藤沢キャンパスに集まった「全国ムスリムミーティング」で設立が決まった。

 例えば、ISなどが宣伝するジハード(聖戦)を戦闘ではなく「価値観や宗教の違いを超えて良好な関係を築くためのよい言葉とよい態度と英知による不断の努力」と定義。また、ムスリムの来日観光客向けに飲食店などで広がる「ハラル」(イスラム教での戒律に従っている)認証についても「現状は商業主義的」と疑問を投げかける。

 奥田教授は「ムスリムとの間の壁をなくすため、イスラムの本来の考え方を発信していく。テロが相次ぐ欧米では共生が難しくなっており、比較的状況が良い日本から世界に働きかけていきたい」と話している。

 同ラボは2015年度から県と共同で「ムスリム接遇人材育成プログラム事業」を実施している。マレーシア、インドネシアなどムスリムが多い国からの観光客が増えているためで、学術会議の知見を同事業にも生かしていく方針だ。

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