21 4月 2025 - 22:48
Source: Parstoday
EUが中央アジアでの勢力拡大を模索、中国やロシアとの競争へ

EUは、中国やロシアと長年緊密な軍事、経済、政治関係を維持してきた中央アジア諸国との協力強化に乗り出しました。

 今月初め、ウズベキスタンのサマルカンドでEUと中央アジア5カ国の間で開催されたEU・中央アジア首脳会議はこの種の会合としては初めてのことで、同地域への影響力拡大に対するEUの関心ぶりを示しています。ユーラシア大陸への接続をめぐる大国間の競争の狭間で、EUはより強い立場を確保しようとしているといえます。

EUは「グローバル・ゲートウェイ(Global Gateway)」と呼ばれるプロジェクトを通じて、中国の一帯一路構想に代わる貿易回廊を作ろうとしており、中央アジアの輸送・貿易回廊に多額の投資を充当しています。

EU・中央アジア首脳会合の最も重要な成果の一つとして、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が中央アジア地域を通る「中央回廊」に対する100億ユーロの投資を約束したことが挙げられます。その目標は、ロシアを迂回することで、欧州と中央アジア間の貨物輸送を現在の半分の15日に短縮することとされています。

ウクライナ戦争の勃発と紅海情勢の激化により供給網が混乱して以来、中央アジアとEUの地政学的なつながりが強まっています。一方、ウズベキスタンやカザフスタンなどの国々は、特に中央回廊を通じた連絡性の向上を通じた貿易や投資という点から、ヨーロッパにより大きな視点を向けています。

今月3日と4日に開かれたこの会合で、中央アジア諸国の首脳らは、今後の協力が特にサプライチェーン、貿易、エネルギー、そして重要な原材料の供給網への投資といった具体的な成果に絞られるべきことを強調しました。中央アジアがロシアと中国が提供しようとしている欧州の先進的な産業技術に関心を持つ一方、EU側はこの地域の貴重な天然資源に注目しています。

中央アジアの裏側からトルコまで

EU・中央アジア首脳会合で浮上し、物議を醸したもう一つの問題は、テュルク諸国機構(OTS)に加盟するカザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンがキプロス駐在の自国大使を任命したという決定でした。キプロスに関しては、北キプロス・トルコ共和国の設立を認めないとする国連決議があり、今回、3カ国はこの国連決議を順守するとしました。これはトルコとの間に火種を生む可能性があります。

第10回OTS首脳会合、2023年はカザフ首都アスタナで開催

カザフスタンは2022年にオブザーバーとしてOTSに加盟して以来、同国当局者が数多くの会議に参加しており、昨年キルギス首都ビシュケクで開催された第11回会議にも出席していました。しかし、北キプロス・トルコ共和国はカザフスタン首都アスタナでの第10回会議には招待されていませんでした。

2年前、EU外交政策のある関係者は、北キプロス・トルコ共和国のオブザーバー承認というOTSの決定を支持する国々に潜在的な「悪影響」が及ぶ可能性について警告していました。

一部の有識者は、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの決定は、これらの諸国の欧州・西側諸国への接近と同時に、中国とロシアに次いでこれらの諸国で高い影響力を持つトルコにとって打撃になると見ています。

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