トランプ政権はウクライナに対し、これまでの軍事支援の見返りとして同国と鉱業協定を締結しようと必死の工作を続けていますが、まだ成果には至っていません。その一方で、フォーリン・ポリシー誌はアメリカがパキスタンの鉱物資源獲得に目をつけていると報じました。
同誌によれば、米国務省のエリック・メヤー南・中央アジア担当次官補が最近、パキスタンの鉱業部門への投資に関する会合への出席を目的に、代表団を率いて首都イスラマバードを訪れました。メヤー次官補はパキスタンのシャバズ・シャリフ首相との会談で、「アメリカ企業がパキスタンの未開発鉱物資源への投資を熱望している」と述べました。このことは、この分野に対するトランプ政権のより包括的な願望と関心を示すものです。
フォーリン・ポリシーによると、米議員らもパキスタンの鉱物資源開発について同様のシグナルを送っているとみられます。米下院軍事委員会の情報・特殊作戦小委員会の委員長を務めるジャック・バーグマン共和党議員は最近、「この領域は対パキスタン関係の『鍵を握る部分』となりうる」と述べています。
バーグマン議員は先週、2023年以来初めてパキスタンを訪問する米国議会関係者代表団の一員としてイスラマバードを訪問しています。
パキスタンの鉱物資源には大量の埋蔵量を誇る銅や金のほか、リチウムなど他の重要な鉱物が含まれ、その面積はイギリスの総面積の2倍にも相当する約60万平方キロメートルと推定されています。パキスタンの鉱物資源の推定埋蔵量は現在8兆ドルとみられ、長年その鉱物資源の豊かさを誇ってきましたが、その採掘に意欲的な投資家の模索には苦戦してきました。
フォーリン・ポリシー誌は「このような状況下では、米国政府がこうした投資に関心を示したことはパキスタンにとって重要かもしれない」との見方を示しています。こうした中で、パキスタンにとっても、徹底して「ディール」を重視するトランプ政権に自国の鉱物資源の豊かさを誇示する機会がめぐってきたと言える可能性も考えられます。
シャリフ首相は、鉱業部門への投資によって同国の国際金融への依存を減らし、長期的な経済の持続可能性を強化できると考えています。
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