シーア派最高権威の一人であるアーヤトッラー マカーレム シーラーズィ―師はカトリック界のリーダーに宛てた手紙で、ISをイスラムとは無関係のものだとする彼の見解に感謝の意を表明しました。
イスラム共和国新聞によると手紙には以下のように記されました。
カトリック界のリーダー
フランシスコ教皇にサラーム(平安あれ)の挨拶をもって
ポーランド訪問中にインタビューで述べた、“イスラム教に限らず全ての宗教が暴力やテロとは無関係である”という貴方の発言に、大変満足しています。
貴方のイスラム教に対する見解、またISのような排他的グループの非人道的な行動についてイスラムとは無関係なものだと述べたことは称賛に値するものであります。
とりわけ、世界中で神の名のもとに行われる暴力に対する宗教指導者からの明確で力強い姿勢は必要不可欠である。
私はフランスの教会でのテロ行為、狂気的なタクフィーリー(排他的)の要員による、司祭の残忍な殺害を強く非難する。私は貴方への以前の手紙でも記したのと同様に明確に言います。
「イスラム世界のすべての学者と圧倒的大多数のイスラム教徒は、タクフィーリー派をイスラムから逸脱した、今日における人類最大の不幸(災難)であるとみており、私たちははタクフィーリー(排他的)派の危険性について何年間も叫び続けている。」
イスラムは慈悲と愛に基いて平和を愛するすべての人々と共存してきたのであって、暴力やテロとは疎遠である。イスラム学者たちは、世界のどこであっても暴力はクルアーンに反するものだと認識している。イスラム諸国であろうと、またはヨーロッパ諸国やアメリカにおいてであろうと、すべてを非難する。
私たちはこの2年間に聖地コム(イラン)において2回、タクフィーリー派の逸脱した危険さに関する世界会議を開催してきた。世界80か国から著名なイスラム学者を招待し、彼等は全会一致でいかなるものであろうとテロ、暴力そして殺害を拒否している。そしてそれをイスラムから逸脱したものとしている。また無知な少数派と、それが地獄への道へとつながる残忍な流血に対して警告している。
もし物質利益に主眼を置く支配的政府らによる、タクフィーリー(排他)集団とテロ集団への支援がなかったならば確実に、それらは既に根絶されていた筈である。
貴方が述べたように、この暴力は宗教とは関係がない。そうではなくて、低俗な物質的利益の追求、不法な富の貯蓄、傲慢な権力者らの一部がその源となっているのである。
神のおかげで世界の世論は大いに目覚め、世界におけるこのような出来事に終わりが来るとことを、私たちは期待することができる。
最後に、全能の神から貴方の使命への成功(恩寵)、つまり世界における兄弟愛、平和、精神性の拡大、を乞い願います。
コムにて
宗教権威 ナーセル マカーレム シーラーズィー
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