パールストゥデイがイルナー通信の報道として伝えたところによりますと、ONS英国国家統計局は「2025年3月までの12か月間の政府の歳入との差額が前年同期比で200億ポンド以上拡大し、OBR英予算責任局が先月発表した予測より10%高かった」ことを明らかにしました。
専門家らは、この傾向が続けば政府は税金の引き上げ、もしくは公共サービスの削減のいずれかを迫られるだろうと警告しています。いずれの選択肢も、スターマー内閣にとって大きな政治的コストを伴う可能性が指摘されています。一方、民間部門の経済状況の健全性を示す最も重要な指標の一つとされるPMI総合購買担当者景気指数も、憂慮すべき傾向を示しています。
米ニューヨークに本拠を置く金融サービス企業・S&Pグローバルによれば、今月における英国の製造業及びサービス業の総合指数は48.2に低下しました。この数字は成長の閾値(50)を下回っているだけでなく、過去29か月間で最低であり、経済活動の衰退とイギリス経済の将来に対する企業の信頼低下を物語っています。
スターマー政権は財源を模索するも国債、債券、税金が増大?
複数の統計によれば、現在すでに英国政府の現在の予算は、予想より約140億ポンド多い746億ポンドに達したと記録されています。実際、イギリス財務省は福祉給付金、公共サービス費用、負債利子の増大により圧迫されています。英国OBRは、出費を賄うために来年の債券発行額を50億ポンド増やすと発表しました。この決定がなされた一方で、30年国債の利回りが1998年以来の高水準に達し、政府財政の持続可能性に対する懸念が高まっています。
こうした中、S&Pグローバルが発表したデータによりますと、英国の製造業の輸出売上高は2009年の金融危機以来(COVID-19大流行期を除く)最も速いペースで減少しています。この減少は主に国際市場における需要の落ち込みと、特に英国製品に対する米国の新たな関税賦課のもとでの貿易摩擦の激化によるものです。
IMF国際通貨基金は最新の報告において、英国の2025年の経済成長率予測を1.6%から1.1%に下方修正し、世界規模での債務増加の要因の一つがイギリスであると指摘しました。全体として、英国政府は、財政赤字の急増と民間部門の活動の急激な低下により、困難な試練に直面しています。
レイチェル・リーブス英財務相は、国民保険料の雇用主負担の増額や公共支出の見直しなどの改革で債務削減への道を開こうとしているものの、専門家は政府の財政余地は非常に限られていると警告しています。
一方、インフレが進み経済不況が深刻化する中での増税や公共サービスの削減を求める圧力は、政府の支持率に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。アナリストらは、政府が財政赤字を抑制し経済成長を回復できない場合、合法性の危機および、より広範な政治的課題に直面する可能性があるとみています。
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