米国のトランプ大統領とロシアのプーチン大統領は今月19日夜、2時間以上にわたって電話会談を行いました。こうした会談が継続されている一方で、戦争をめぐるウクライナ・ロシア間の交渉はまだ妥結に至っていません。
イルナー通信によりますと、J・D・バンス米副大統領は19日、米ロ首脳による電話会談の前に、「プーチン大統領はウクライナ戦争からの離脱方法をあまりよく分かっていないようだ」と述べていました。さらに、「もしロシアが協力・折衝する意思がないなら、最終的にアメリカは、『これは我々の戦争ではない』と宣言せざるを得ない」としています。
トランプ氏:「ロシアの指導者は対ウクライナ和平を望む」
一方、トランプ米大統領も19日のプーチン大統領との電話会談後、同大統領がウクライナとの和平を望んでいると信じている、とコメントしました。また「進展の見込みが高いため」、これ以上ロシアに対し制裁を課さないと強調しています。その一方でトランプ氏は「成果に至る可能性はあると思うが、もし相手方がこの方向性で何か行動を起こしたいなら、事態をさらに悪化させる可能性がある。しかし、いつかはこれ(制裁の発動)が起こる時が来るかもしれない」としています。
プーチン氏:「対ウクライナ和平協定締結に取り組む用意あり」
一方でプーチン大統領は、19日に行ったトランプ大統領との電話会談について「ロシア側として、停戦や紛争解決の原則に関する事項を含みうる将来の平和条約に関する覚書についてウクライナと協力する用意がある」と語りました。プーチン大統領によれば、これらの項目の例としてウクライナ紛争の解決の原則、和平合意の時期、合意成立の場合の一定期間の停戦の可能性などが挙げられるということです。プーチン氏はまた「この点で、ロシア・ウクライナ両国は和平への最大限の意欲を示し、すべての当事者にとって利益となる妥協点に達しなければならない」と強調しました。
ウクライナ大統領:「合意覚書の詳細を知らされていない」
これに関してゼレンスキー・ウクライナ大統領も今月19日、「和平ロードマップに関するロシアの『覚書』の詳細は知らされていないが、この点に関してロシア側の提案を検討する意向はある」と述べました。また、「ロシア側から記録や提案を受け取るたびに、我々はそれに応じて自らの見解を整理・分類できる」と語っています。ゼレンスキー氏はさらに、「トランプ大統領がプーチン氏と電話会談する前にトランプ氏と電話で会談し、ウクライナにとって非常に重要な根本的な問題があるため、『我々抜きで』ウクライナに関する決定を下さないでほしいと伝えた」と明らかにしました。
ゼレンスキー大統領はまた、ヘルソン、ドネツク、ルハンスク、ザポリージャの4州からの撤退というロシア側の要求をウクライナ側として受諾するか、という記者の質問に答え、「我々は我々の領土から軍を撤退させない」と述べています。
ロシア大統領府報道官:「和平・停戦覚書の本文は複雑なものになる」
これに関して、ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は19日、「ロシア・ウクライナ間の和平・停戦合意覚書の文面の作成は複雑であり、期限は設定できない」と語りました。同氏はさらに、「この文書の草案はロシア側とウクライナ側の双方が作成し、双方がそれを交換した後、統一された文書の作成のために複雑なやり取りが行われることになる」と付け加えています。
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