15 3月 2025 - 21:42
Source: Parstoday
イスラエルとハマスの停戦交渉をめぐる最新情勢

ハマスのハゼム・カセム報道官は「シオニスト系アメリカ人捕虜の釈放は、我々に再度の停戦交渉の意思があることを意味しない」と語りました。

 ハマスは14日に声明を発表し、ガザで拘束中の米・イスラエル二重国籍者のエイダン・アレクサンダー氏の解放に同意したことを明らかにしました。ハマスのカセム報道官は15日、アレクサンダー氏の解放について「1つの前向きな動きだ」とする一方、「今回の行動は、ハマスが停戦計画の再交渉を望んでいることを意味するものではない」と強調しました。

カセム報道官はその上で、「我々は新たな合意や付随的な合意について話しているのではなく、現状の停戦合意の各段階の完全履行を求めている」としました。そして、イスラエルのネタニヤフ首相の立場に言及し、「ネタニヤフ首相は連立内閣の崩壊を恐れているため、停戦プロセスの完了につながる一切の提案を拒否している」と指摘しました。

停戦合意の最新情勢とハマスの反応

そもそも、1月に発効したハマスとイスラエルの停戦合意で何が定められていたかを振り返る必要があります。

ハマスはアメリカ国籍を持つエイダン・アレクサンダー氏を含む5人のイスラエル人人質を解放しなければならないこととなっています。またその見返りとして、イスラエル側はパレスチナ人拘束者複数名を釈放をすることになっています。両者の間接交渉は人質交換後も50日間継続され、恒久的な停戦とより広範な人質交換について協議される見通しです。ハマスは、パレスチナ人拘束者の釈放が具体的かつ保証された方法で行われることを条件に、エイダン・アレクサンダー氏とイスラエル人人質の遺体4体を引き渡すと提案していました。ハマスはまた、イスラエル人人質の引き渡し前における、恒久的な停戦、人質交換、国境検問所の再開、人道援助送付に関する交渉の即時開始を求めています。

一方、イスラエル側はエイダン・アレクサンダー氏を含む11人の生存人質の解放と16体の遺体の引き渡しも要求しています。また、イスラエルの提案では、終身刑を宣告されたパレスチナ人拘束者120人とガザ地区出身の拘束者1110人の釈放、およびパレスチナ人の遺体160体の引き渡しが提起されています。イスラエルは、人質交換後の間接交渉期間を50日から40日に短縮するよう求めており、恒久的な停戦は他のイスラエル人人質に関する情報の提供を条件にすべきだと強調しています。イスラエルはハマスの提案とは対照的に、回答の中でガザ地区からの撤退については触れず、人道支援が民間人のみに届けられることを保証するメカニズムの確立を求めています。

ネタニヤフ政権が米・ハマス協議への妨害を画策?

こうした中、イスラエル紙「イディオト・アハロノト」はアメリカ当局者の話として、ネタニヤフ首相に近いロン・デルメル戦略相が、アメリカ政府とハマスとの交渉を阻止しようと秘密作戦を主導していると報じました。一部の米国筋は、米国の交渉担当者アダム・ビューラー氏がハマスと直接交渉に入ったものの、ネタニヤフ氏の側近がメディアキャンペーンを展開し、秘密交渉を暴露してビューラー氏をその地位から解任したと伝えています。

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