9日からG20首脳会議が開催されるのを前に、インドのムルムー大統領が各国首脳に宛てた夕食会への招待状で、自らの肩書を英語由来の「インド(India)大統領」ではなくヒンディー語由来の「バーラト大統領」と記したことが波紋を呼んでいます。
バーラトは、古代インドの大叙事詩「マハーバーラタ」に登場するバラタ族に由来するとされ、ヒンズー至上主義を支持基盤に持つ与党・インド人民党はこの名前を国名に採用する動きを進めてきました。
これに対し野党は、こうした動きを「歴史改ざん」や「国の分断」を進めるものとして批判しています。一方の与党側も、反対勢力を「反国家的」「憲法違反」と呼び、応酬しています。
ある政権幹部は「バーラトへの国名変更は植民地主義に反対する偉大な運動であり、もっと早くに実現しているべきだった」と語りました。
今回の騒動の直前には、インドの愛国・ヒンズー主義団体「民族義勇団」の代表が、バーラトへの国名変更を訴えていました。
地元メディアは、政権与党が今月下旬に開かれる議会の特別会議に、国名をバーラトに変更する憲法改正案を提出する可能性があると報じています。
342/