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source : parstoday
日曜日

30日 5月 2021年

12:04:27
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カナダでの先住民の子どもの集団墓地発見ー西側諸国での人種差別の新たな証拠

有色人種や先住民族に対する暴力や差別は、これまで数百年にわたりアメリカやカナダをはじめとする西側諸国で行われてきました。これらの人々は西側諸国において最低限の基本的人権すら享受できなかったのみならずその多くが暴力の犠牲になっています。

ABNA24 : これに関連して、カナダのブリティッシュコロンビア州にある元寄宿学校の敷地で、先住民の215人の子供の集団墓地が最近発見されたことは、カナダの当局者の面目を失わせたことはもとより世界に衝撃を与えました。

トルドー・カナダ首相はこの集団墓地の発見を、カナダ史上最も暗澹たる破廉恥で、悲惨な部分を思い出させるものだとしています。

先住民の虐殺は、カナダや米国などの国の歴史の一部を占めており、事件から数十年後を経た現在でも多くの女性、子供を含む犠牲者の集団墓地が発見されています。子供たちをその親から引き離し、政府の監督下で最低限の満足な設備もない寄宿学校に通わせることは、当時の政府の措置の 1 つでした。Camelops Boarding School は、先住民族の子供たちを家族やコミュニティから隔離し、母語の使用を禁じて、特定の文化的活動への従事を控えるよう強制することによって、先住民族の子供たちの画一化を図る目的により、カナダの寄宿学校ネットワークの一部として設立されました。

現在も、西側諸国の社会では、有色人種や先住民に対する差別と圧力が続いています。新型コロナウイルス危機発生により、この問題は西側諸国でより顕著になりました。米国とカナダの多くの有色人種や先住民は、医薬品や医療機器を利用できないだけでなく、ワクチン接種の優先順位でも最後へと後回しにされています。カナダのキャロリン・ベネット先住民関係大臣が公然と認めたように、新型コロナウイルスの流行とその余波を受け、カナダ先住民の女性に対する組織的な差別はさらに悪化しました。

以前にカナダ最大の先住民慈善団体National Aboriginal Achievement Foundation(NAAF)の議長を務め、現在は弁護士として活躍する同国の先住民女性ロベルタ・ジェイミーソン氏は、「残念ながら、カナダの一部の先住民族コミュニティはまだ適切なレベルの飲料水を利用できていない。連邦政府は先住民族の女性に対する差別を減らすために良い取り組みを行ってはいるが、これらの約束を果たすには真剣な意志と実際の行動が必要だ」と語っています

差別の問題は、米国とカナダだけでなく、人権とその平等なアクセスへの擁護を主張する他のヨーロッパ諸国でも蔓延しています。これらの国は、有色人種の国民を平等に扱っていないだけでなく、自国外でもジェノサイドや搾取を引き起こしてきました。多くのヨーロッパ諸国は、アフリカ諸国を植民地化しただけでなく、これらの国でジェノサイドを実行しました。ドイツのマース外務大臣は最近、ドイツによるナミビアの先住民族の大量虐殺を事実として認めています。またこれに先立ち、フランスのマクロン大統領は、アルジェリアでのジェノサイドと、1994年のルワンダ虐殺におけるフランスの関与を認めました。

もっとも、この傾向は西側諸国でも続いており、多くのヨーロッパ市民、さらには警察までもが、移民、有色人種、少数派の民族や宗教の信者、女性を暴力的に扱っています。またこれらの国では福祉をはじめワクチン接種、教育への平等なアクセスが事実上できていないことから、人権と平等の順守の分野に関するスローガンのほとんどがうつろに響くだけの掛け声でしかないことが、今まで以上に浮き彫りになっています。

ここ数か月、多くの人が中国を名指しでコロナウイルス発生源と考えているために、カナダを含む多くの西側諸国でアジア人への攻撃が増加しています。カナダの国会議員ジェニー・クワン氏は「コロナウイルスをクワン・ウイルスと呼ぶ人さえいる。これは、アジア系カナダ人としての私への直接の攻撃以外の何ものでもない」と述べました。

センチュリー文化財団によりますと、アフリカ系アメリカ人が多い地域の多くにおいて、医療従事者の提供するケアは質の低いものとなっています。しかしウイルスは、個人間や人種間の違いには関係なく拡散します。

カナダで215人の先住民の子供たちの集団墓地が発見されたことは、先住民、有色人種、そのほかの少数派の人々に対する西側の犯罪と、平等、人間、個人、社会的自由の擁護を訴える彼らの主張が偽りであることを白日のもとにさらすもう1つの証拠だと言えるでしょう。

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