(ABNA24.com) ここ数日、世界の原油市場は徐々に下落していましたが、4月20日月曜日に、そのブレーキが外れアメリカ原油の基準となるWTIウェストテキサスインターミディエイトの5月先物価格は、わずか数時間で1バレル当たり17ドルからー37ドルに急落しました。
その一方で、その1週間前、OPEC石油輸出国機構およびOPEC外産油国からなるOPECプラスの臨時会議が開催され、1日あたり約2000万バレルの減産が合意されました。 しかし、この合意は世界的な石油価格を引き上げなかっただけでなく、4月20日の悪夢を引き起こしました。
石油市場の関係者は、原油価格の空前の下落は世界市場での需要と供給の不均衡によるものであると発表しています。 一方では、現在、新型コロナウイルスの流行により、世界経済の動きはほとんど停止し、他方でロシアとサウジアラビアの2大産油国の間の石油戦争が、石油市場に前例のない量の余剰を生み出しました。
過去3か月間に、新型コロナウイルスは世界中の経済活動を大幅に低下させ、化石燃料の需要をここ数十年間で最低レベルにまで抑えつけています。
過去90年間で世界最悪の景気後退が予想されるため、主要な石油購入国の多くは慎重になっており、このことは産油国に対しさらなる原油価格の値下げを迫っています。
しかしながら、主要な石油生産国は、通常とは逆に、原油の供給量を増やし市場は過剰な石油で溢れました。 先週のOPECプラスの決定の遅れも、市場への前例のないショックを防ぐことはできませんでした。
その結果、米国原油価格の狂ったような下落は、1バレルあたり約マイナス40ドルに達したのです。 言い換えれば、米国の原油生産者は、石油貯蔵タンクが満タンになっているため、買い手から原油の輸送料金を支払うよう強いられます。さもなければ、契約をキャンセルされ、より多額の違約金を支払う必要が出てくるからです。