2 6月 2025 - 20:11
Source: Parstoday
イスラエル軍によるガザの農地破壊

イスラエル軍によるガザでの犯罪には、農地の破壊も含まれます。

2023年10月7日に始まったガザでの戦争以降、イスラエルは体系的にガザ地区の農地を破壊する作戦をとっています。ガザ地区の農地は、200万人以上のパレスチナ人にとって生命線で食料源です。開戦前の2023年5月と今年4月の衛星画像を比較すると、かつて緑豊かだった土地の多くが灰色の地域に変わり、植生が完全に失われたことが分かります。

【ガザの植生とビニールハウスの破壊】

データによれば、ガザ東部の農地の植生の約92%がこの期間で減少しました。これは、この地域で農産物が完全に消失したことを意味します。衛星画像からは、特にラファ、ハーン・ユーニス、北部のベイト・ラヒヤ地区の農産物を生産していたビニールハウスが廃墟と化していることが分かります。また、イスラエル軍の装甲車両がかつて平坦な農地として使われていた地域を破壊し、土塊や塹壕に変えていることも確認されています。

【ガザの農地の75%が破壊】

国連食糧農業機関(FAO)と国連の衛星画像センターは報告書で、ガザの農地とオリーブ園の75%が失われ、農業用井戸の3分の2以上が使用不能となっているとし、イスラエル軍の作戦が停止した後もこれらの農地への給水が完全に不可能になっていると発表しました。FAOは、特にガザ南部ハーン・ユーニスでの農地被害が2589ヘクタール(同エリア全体の61%)に及び、最大の破壊率はガザ北部で78%に達するとしています。

【土壌の白リン汚染】

不発弾や重金属もガザの農業や動物資源に対する直接的な脅威です。今年1月の検査では、ガザ北部の土壌1キロあたり1800mgの白リンが検出されました。これはアメリカ環境保護庁(EPA)の基準値の467倍に相当します。

この汚染は、土壌中の炭素を保持する役割を持つ菌類を全て死滅させ、土壌の肥沃度や植物の成長能力に悪影響を与えています。初期評価によれば、ガザ戦争の最初の60日間だけで28万1000トン以上の二酸化炭素が排出され、気候条件が悪い20カ国以上の年間排出量を超えています。この侵略はまた、生態系の破壊、水資源汚染も引き起こし、世界的な環境変動危機を悪化させています。

【環境インフラへの攻撃は違法】

ガザ地区の農地への攻撃は、国際法や人権憲章、ジュネーブ条約第4条に明確に違反しています。これらは戦時中の私有財産支配を禁止しており、国際法は飢餓を戦争の手段として使用することも禁じています。パレスチナ人権研究所の現地研究センター副所長ヤーセル・アブドルガフール氏によると、イスラエルの行動はガザ地区住民の食料供給網を組織的に破壊するものであり、戦争犯罪かつ反人道的犯罪にあたると述べています。

【ガザ地区の200万人が3分の1の土地に閉じ込められている】

ガザの農家は避難民となり、人道支援を必要とし、主要な収入源を失っています。現在、パレスチナ人230万人がガザ全体の35%未満の地域に封じ込められています。既存の評価によると、ビニールハウスや食品貯蔵施設、水やエネルギー設備、動物資源・水産養殖施設など、ガザの食料安全保障の根幹をなす農業施設はほぼ全て破壊されています。

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