【アフル・バイト通信/ABNA】
バチカンで開かれた「コンクラーベ(教皇選挙会議)」の結果、アメリカ出身の枢機卿ロバート・フランシス・プレヴォスト氏が新たなローマ教皇に選出されました。プレヴォスト氏は「教皇レオ14世」の名で知られることになります。これはカトリック教会の歴史上初めて、アメリカ人が教皇に就任するという歴史的な出来事です。今回の選出は、4月に死去した前教皇フランシスコの後継として行われました。
レオ14世の選出は5月8日、4回にわたる投票を経て正式に発表されました。宗教関係者や社会評論家の間では、アメリカ出身の教皇の登場が今後のカトリック教会に与える文化的・社会的影響について注目が集まっています。
今回のコンクラーベには、世界各国から133人の枢機卿が集まり、5月7日から開始されました。バチカンのシスティーナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がり、新教皇の選出が伝えられると、聖ペトロ広場には多くの巡礼者や観光客が詰めかけました。
バルコニーに姿を現したレオ14世は、笑顔を浮かべながら「皆さんに平和が常にありますように」と語りかけました。この言葉は多くのキリスト教徒に希望をもたらしましたが、新教皇が直面する国際的・社会的な課題にどう対応していくのかについては、なお多くの関心が寄せられています。
新教皇の課題のひとつとして、戦争や貧困、社会的不平等などの世界的な危機が挙げられます。なかでも、パレスチナ問題は国際社会からの関心が高く、多くの国々や宗教団体がイスラエルの政策に懸念を示しています。
前教皇フランシスコは、パレスチナ人の人権を一貫して擁護し、占領の終結と2国家解決の必要性を国際社会で訴えてきました。また、エルサレムをイスラエルの首都とする動きに対しても遺憾の意を表明し、この都市の国際的地位を尊重すべきだと主張しました。エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三つの一神教の聖地であり、平和と対話の象徴であるべきだと語ってきました。
さらに、フランシスコ教皇はパレスチナのマフムード・アッバース大統領との会談を重ね、バチカンの庭園での平和のための祈りなど、平和構築に向けた取り組みを進めてきました。
レオ14世が今後、こうした前教皇の遺志を受け継ぎ、中東和平や世界平和の実現に向けた努力をどのように続けていくのかが、今後の大きな注目点となっています。
新教皇の選出は、世界各国でさまざまな反応を呼んでいます。特にアメリカや欧米諸国のカトリック信者の間では、今回の出来事を教会史に残る重要な一歩と捉える声が多く、一方で、教会の社会的・宗教的使命に対する期待や懸念も広がっています。
Your Comment