1月1日に発生した能登半島地震の被災者に向けて、パレスチナ自治区ガザのラファに住む子どもたちが、フェイスペイントを使って「地震に負けないで」とのメッセージを発信した。この写真は、日本のNPO「地球のステージ」のウェブサイトに1月初旬に公開され、多くの関心を集めた。
この行動を記録したのは、ガザ在住の27歳のジャーナリスト、モハマッド・マンスール氏である。彼は、幼少期からガザの紛争下で育ち、日本の医療支援団体から心理的サポートを受けてきた。
同団体の支援を続けてきた日本の医師、小山氏は、ガザでの活動を通じて「ガザの人々は私を家族の一員のように迎えてくれる」と話す。また、今回の出来事について、次のように語った。
「ガザの人々は、常に命の危機にさらされながらも、他者の痛みを理解し、支え合う心を持っています。彼らがすぐに能登地震の被災者を気遣うメッセージを送ったのは、その痛みを自分たちも知っているからです。」
現在、ガザ地区は過去に例を見ないほどの人道危機に直面している。医療ボランティアの入域が困難になり、支援物資もほとんど届いていない。小山氏は、「ガザでは過去5回の戦争を経験しましたが、今回が最も厳しい状況です。空爆の恐怖に加え、食糧不足による飢餓、医薬品不足による感染症の危機が重なっています」と懸念を示す。
しかし、2021年に設立された「心理社会的支援センター」は現在も機能し続け、地元のスタッフが主体となって子どもたちのケアを行っている。このセンターを支えるモハマッド・マンスール氏は、「私の正義は反撃ではなく、真実を伝えること」と述べ、日々ガザの現状を世界に発信し続けている。
ガザから送られたこの小さなメッセージは、困難な状況の中でも国境を越えた連帯と共感の重要性を示している。
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