12 3月 2025 - 18:16
Source: Parstoday
シリア暫定政権軍が北西部での大虐殺の隠蔽工作、イスラエル軍の南部侵攻に紛れて

イスラエル軍の戦闘機が11日未明、地上攻撃と連動して、シリア南部ダルアー郊外と首都ダマスカス南西部カトナ地区を20回以上にわたり空爆しました。

 これまでの複数の報道によると、シリア暫定政権を率いる「タハリール・アル・シャーム(HTS)」と関係のある武装勢力は、同国沿岸部で虐殺した住民数十人の遺体を別の場所に移送したということです。しかし、その場所は明らかにされていません。

ここ数日、シリアの少数派・アラウィー派に対するHTS勢力の犯罪に対する国際社会の怒りが高まっており、テロリストはシリアの市町村から犠牲者の遺体を回収し、極秘の場所に移送しようとしているということです。アルアーラム・チャンネルの報道では、これらの集団は山や谷を利用して遺体を隠しているとされています。

シリア沿岸部ではここ数日、HTSと同組織の政策に反対する人々の間で緊張が高まり、流血を伴う衝突が発生しています。これに関連して、情報筋は10日、HTS部隊によるシリア南西部タルトゥースへの攻撃が続いた後、HTSと地元の沿岸警備隊の間で激しい衝突が発生したことを明らかにしました。HTSの政策に不満を持つアラウィー派住民が、北西部カルダハおよびマスヤフ、西部港湾のジャブラおよびラタキア、タルトゥース、西部ホムスの各都市でデモを行ったということです。

最新の統計

これに関して、在英NGOの「シリア人権監視団」は、これまでにシリア沿岸部でHTS傘下の武装集団による虐殺が約40件発生し、1000人以上の民間人が殺害されたと発表しました。それによると、作戦終了が発表されたにもかかわらず、武装集団はシリア沿岸部の住民に対して犯罪行為を続けているということです。

トルコ大統領はシリア暫定政権部隊に肩入れ

一方、トルコのエルドアン大統領は10日の閣議の後で、ここ数日間に数百人の死者を出したHTSによる虐殺には一切触れず、「旧アサド政権の残存勢力がテロ攻撃を実行した」と語りました。また、「シリアで騒乱の扇動を企む勢力は自らの陰謀に成功しないだろう」とし、「多くの勢力がシリアが14年間苦しんできた混乱をトルコにも波及させようと狙った」と述べました。一方、一部の批評家の間では、シリアからアサド前政権を排除する計画は国家分裂を狙った陰謀であり、トルコはその主要勢力の一つであると考えられています。

混乱に乗じるイスラエル

イスラエル軍の戦闘機は11日未明、シリア国内の混乱に乗じる形で、地上侵攻と同時に、シリア南部ダルアー郊外及び、首都ダマスカス南西部カトナ地域を20回以上にわたり空爆しました。イスラエル軍はまた、レバノン・シリア国境にあるジャバル・アル・シェイク丘陵(通称:ヘルモン山)を含む戦略的な拠点も制圧し、シリア南西部クネイトラ県での軍事駐留を拡大し続けています。イスラエル軍はシリアのアサド前政権の崩壊以来、占領下のシリア・ゴラン高原とシリア本土の間の緩衝線を越え、引き続きダルアー県とクネイトラ県のゴラン高原近隣地域を占領しています。

武装勢力間の合意成立に関する一連の主張

しかし、HTSの系列にあるテレビ局「スーリーヤ」は、同国の武装組織「シリア民主軍(SDF)」と合意し、これらの部隊を同勢力の管理下にある機関に統合すると報じました。この合意は、通称ムハンマド・ジャウラ二で通っているアフマド・アル・シャルア氏および、SDFのマズルーム・アブディ氏との会談後に成立しました。ジャウラ二氏の事務所は声明を発表し、この合意の署名によりSDFが政府機関に統合されると発表しています。

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