4 3月 2025 - 00:04
Source: Parstoday
ガザ・ヨルダン川西岸、瓦礫の中のラマダーン月

イスラム教徒が断食などを行う聖なるラマダーン月がガザやヨルダン川西岸でも始まりました。イスラエル軍による攻撃がいまだ続き、経済・社会的状況が悪化する中で、人々はそれぞれの思いで断食月を迎えました。

 イスラエル軍のブルドーザーがヨルダン川西岸のジェニン難民キャンプ内を通る主要道路と脇道を破壊したことで、約4万人のパレスチナ人が難民化しました。

ジェニンのあるパレスチナ難民はアルアーラム・チャンネルの取材に、「私たちは故郷に帰るのを待っている。シオニストは、追放によってパレスチナ人の意志を挫くことができるなどと考えているが、それはとんだ誤りだ。イスラエルの攻撃を受けても、私たちは祖国に住みたいと思っている。ジェニンはイスラエルのものではなく、パレスチナ人のものだ」と語りました。

こうした中、イスラエルは1日以降、ヨルダン川西岸北部のトゥルカルム市の東に位置するヌールシャムス難民キャンプで破壊活動を続けており、イスラエル軍のブルドーザーはキャンプ内の住宅約30戸を破壊しました。

ハマス、ヨルダン川西岸への攻撃を非難

ハマスは、イスラエルによるヌールシャムス難民キャンプのパレスチナ人民家の破壊を非難し、「この行為は国際法への公然たる違反かつ戦争犯罪である」と表明しました。そして、「イスラエル軍の行動は、首相や戦争大臣を含むイスラエル政権指導者による公文化された声明と同時に行われており、その声明は、パレスチナ人をヨ​​ルダン川西岸北部の難民キャンプから追放する計画を示唆している」としました。

廃墟の中、ガザ市民らが1日の断食を終えて夕食

ガザ地区の住民らは、ラマダーン月初日にあたる1日夕方、イスラエル軍に破壊された家屋の瓦礫の中で、大切な人を失った耐え難い痛みをおして、断食後の夕食イフタールの会食を行いました。住宅地のほとんどが破壊されたガザ北部では、住民たちが最も基本的な設備も整っていないテントに身を寄せ、缶詰を中心としたささやかな食事でその日の断食を終えています。

ガザ南部のハーンユヌス市も同様の状況で、数千人のパレスチナ難民が食糧と水の不足に苦しみ、テントでその日の断食を終えることを余儀なくされました。ガザでの戦争で生き残った人々は多くの困窮者に食糧を配給し、若者らはボランティアとして断食中の人々にナツメヤシと水を配布しました。

ガザ南部のラファ市とシュジャイヤ地区では、断食後の夕食用に共同の食卓が設置され、数百人ものパレスチナ人らが破壊された自宅の瓦礫の中に集まりました。一方、ガザの人々は戦争による破壊・荒廃にもめげず希望に満ちた生活の構築に努めており、破壊された自宅の壁にこの時期特有の灯明(ランタン)を吊るし、荒廃の中にも希望の光を見出そうとしています。

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