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source : Parstoday
日曜日

26日 5月 2024年

18:31:35
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シオニズムはなぜここまで憎しみをばらまくのか?

シオニストの一部は、歴史的な苦い経験や、ユダヤ人の優越性を主張する一方、他の勢力から攻撃されているという感情が一種の劣等感を生み、それによって、パレスチナ人をはじめとした他者に対して攻撃的・暴力的で憎しみに満ちた態度を取るようになっています。

ユダヤ人の民族的拠点設置を目指す政治運動としてのシオニズムは、常に物議を醸すものであり、その激しい憎しみをまき散らす精神性のために、多くの否定的な視線が向けられてきました。

この運動において憎しみを増大させる基本的原因の一つには、ユダヤ人の権利擁護およびイスラエル政権樹立を掲げて取られているアプローチや行動が挙げられます。ここでは、この過激主義の運動を推進する者たちの間に憎しみの感情を広げている原因を取り上げてみます。

内面にある差別を受ける者としての感情

シオニストの間で憎しみの感情が広がる主な原因の一つには、彼らの多くが他のユダヤ人たちの体験を通じて内面に持っている差別を受ける者としての感情が挙げられます。この感情は、それまでのユダヤ人たちが体験してきた、長年にわたる反ユダヤ主義とユダヤ人差別の歴史に対する一種の反応だと言えます。

一部のシオニストは、このような歴史上の苦い体験や、自分たちが優れていると考える他のユダヤ人派閥や潮流から不安をあおられることで、一種の劣等感を抱くようになり、そのような感情が、パレスチナ人を中心とした他者に対する、憎悪のこもった攻撃的態度として表出するのです。この感情はまた、イスラエル政権がパレスチナ人に対してとる侵略・軍事政策にも見ることができます。

宗教的過激主義と外へ向けられる人種差別

シオニズムにおける憎しみの別の根源は、自分たちが宗教的・民族的に優位性を持つという考えにあります。シオニズムのイデオロギーでは、特に過激派においては、ユダヤ人が「神に選ばれた民」でありパレスチナおよび一部西アジア地域を統治する権利を持つという考えに基づき、宗教的・民族的優位性が確立するとされています。

こうした考え方は、占領やアパルトヘイト、さらに人道に対する犯罪といったイスラエル政権が取る政策へとつながり、さまざまなユダヤ人やシオニストのコミュニティにおいても、憎しみや恨みの感情を高めてきました。国連でも繰り返し非難されているイルラエル政権のパレスチナにおける入植地の建設・拡大は、このような政策の一例ですが、このような考えに追随する者たちが他者への憎しみを保ち増大させていけば、入植地建設は今後も続いていくことになります。

  

プロパガンダで嘘を拡散

現在パレスチナなどに向けられている憎しみの一部は、シオニスト系の機関やメディアによる嘘を拡散させるプロパガンダによって広められています。シオニスト系メディアは、安全保障の脅威やパレスチナ人の行動について誇張された正しくない情報を流すことで、自分たちの暴力的な弾圧行為を正当化している上、さらなる追随者を増やそうとしています。

一例として、昨年10月7日にパレスチナ抵抗運動ハマスがイスラエル政権の犯罪に対する報復攻撃を行った際、一部のメディアはハマスによる暴力だと誇張混じりの虚偽の主張を伝えましたが、これは後に正しい情報でなかったことが明らかになっています。

  

軍事的犯罪で憎悪が肥大

パレスチナ人や他国の各抵抗勢力に対しイスラエル政権がとっている軍事的行為は、シオニストたちの憎しみを増大させる別の原因となっています。軍事的侵略、民間人殺害、住居・インフラの破壊、経済封鎖などはすべて、同政権が取っている暴力行為ですが、これらはシオニストたちの間に恨みや憎しみという一種の行動様式をはぐくんできました。

最近のガザ戦争だけを見ても、イスラエル政権による爆撃で民間人が大半を占める3万4000人以上のパレスチナ人が死亡し、ガザ地区の重要なインフラも破壊されました。このような憎しみによる殺害を含めた軍事的犯罪行為は、シオニストがそれを支援している間は存続し続けるものであり、それは事実であると認める必要があります。

  

外交・対話という手段を無視

シオニズムは、欧米においてさえ多くの場合、問題を外交や対話という手段で解決しようとせず、代わりに政治的圧力に訴えたり力ずくで押し切っています。このような非建設的なアプローチは、継続的に憎しみを振りまくようなものの見方をシオニストの間に生み出し、緊張を増大させていますが、その結果、西側の大半の人々や社会にも、シオニズムが追求しているのは自らの利益確保のみであり彼らは他者の権利や考え方を気にしない、と感じさせています。

このように、シオニズムにおける憎しみの原因には、内面に抱く人種差別を受けたという感情、宗教的・人種的過激主義、虚偽まみれのプロパガンダ、軍事的犯罪行為、外交・対話を無視するといったものが挙げられます。シオニスト主義のユダヤ人の間で憎しみが醸成されている他に、これらが加わることで、同政権の対外的な憎しみや恨みは拡大しているのです。