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source : Parstoday
水曜日

24日 5月 2023年

11:01:58
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イラン大統領のインドネシア訪問の重要性

イランのライースィー大統領は22日月曜、インドネシアのジョコ大統領の招待を受けて、同国を訪問しました。

この訪問は、いくつかの点で重要です。

イランの大統領がインドネシアを公式訪問するのは2006年以来です。この間、イラン大統領がインドネシアを訪問したことはありましたが、それは国際会議などへの出席のためでした。今回の訪問は、近隣・地域およびイスラム諸国との関係発展をめざすイランのバランス外交政策の一環です。ライースィー大統領がインドネシアを訪れたのは、イランの東方外交がロシアや中国に限られたものではなく、人口2億3900万を抱える世界最大のイスラム国家であるインドネシアをはじめ、他の重要な国も対象であることを意味します。

もう一つの重要性は、アメリカや西側諸国によるイラン孤立化戦略が失敗したということです。今回のインドネシア訪問は、西側によるイラン孤立化という妄想を打ち砕くものです。そして、何より重要なのが、経済です。インドネシアはG20のメンバーで、世界の新興国の一員です。この20年でおよそ50%の経済成長を達成しており、OECD・経済協力開発機構の推計によると、2045年までに世界第4位の経済大国になると予想されています。

インドネシアには220億バレルの石油埋蔵量がありますが、決して石油収入だけで経済成長を達成したわけではありません。インドネシアは産業・科学輸出を行っているイスラム諸国のひとつでもあります。ジャカルタは単にインドネシアの首都というだけでなく、最新のテクノロジーが集まる場所でもあります。さらにインドネシアは、東南アジア諸国の中で人工衛星大国の地位を占めており、この4年間で18の人工衛星を打ち上げています。イランは、こうしたインドネシアの経験や、科学・経済・技術能力を必要としており、インドネシアにとってよい輸出市場となり得ます。反対にイランは、西側諸国から医療技術や医薬品の分野で制裁を受けているにも拘らず、これらの国産化能力を手に入れました。インドネシアの巨大市場は、イランのこれらの医療製品の顧客となり得ます。他にも、じゅうたん、ピスタチオ、ナツメヤシ、サフラン、手工芸品、薬草などがイランからインドネシアへの輸出品として挙げられます。

両国の昨年の貿易額は、前年比で23%増加し、2億5720万ドルに達していました。

こうした両国の持つ可能性や、その関係発展に向けた意志に着目すれば、今回のライースィー大統領のインドネシア訪問が発するメッセージは、両国の経済協力の発展と貿易拡大であると言えます。

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