17 3月 2025 - 18:08
Source: Parstoday
米が南アフリカ大使に敵意を抱く理由とは?

マルコ・ルビオ米国務長官は、同国駐在のイブラヒム・ラスール南アフリカ大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」とし、国外退去処分とすると発表しました。

 マルコ・ルビオ長官は14日、自身のXに「イブラヒム・ラスール南アフリカ大使は人種問題を煽り、米国とトランプ米大統領を嫌悪しており、好ましからざる人物とみなされ国外退去処分となる」と投稿しました。この記事では、イブラヒム・ラスール大使の経歴について紹介していきます。

アパルトヘイト下での追放

イブラヒム・ラスール氏は1962年7月15日、南アフリカ・ケープタウンの第6地区で出生しました。彼が9歳のとき、当時の同国のアパルトヘイト政府がこの地域を「白人専用」の居住地域と宣言したため、ラスール氏とその家族はこの地区から強制退去を迫られ、25キロも離れたケープ・フラッツに移りました。

ラスール氏はその後しばらくして反アパルトヘイト運動に参加し、統一民主戦線とアフリカ民族会議で要職を歴任しました。彼は数回投獄され、定期的に自宅軟禁された経歴もあります。また1991年から1994年にかけては、西ケープ大学の学長補佐およびアフリカ民族会議の州支部の会計係を務めました。さらに、2004年から2008年まで西ケープ州の第5代知事を、2009年から2010年までは国会議員を歴任しました。

南アフリカ大使として

イブラヒム・ラスール氏は、2010年から2015年まで南アフリカの駐米大使を務め、2024年11月には駐米大使として2度目の任命を受けました。しかし、2025年1月に現在のトランプ大統領が就任して以来、米国務省関係者や共和党の主要人物との定期的な会合を開催できず、最終的にマルコ・ルビオ国務長官から「好ましからざる人物」としての扱いを受けました。

米ニュースサイト「セマフォー」は、米ワシントン駐在のある南アフリカ外交官の話として、米側がラスール氏を冷遇する理由は、ラスール氏が以前、イスラエルを批判したことによる可能性が高いと伝えています。

この外交官はまた、「パレスチナ支持の政治的背景を持つイブラヒムという名のイスラム教徒が、現状ではこの役職で成功する可能性は低い」と吐露しました。

関係の悪化

南アフリカが2023年12月、オランダ・ハーグの国際司法裁判所にイスラエルを大量虐殺の罪で提訴して以来、南アフリカとアメリカの関係は悪化の一途をたどっています。

トランプ米大統領は今月14日、アメリカとして南アフリカへの資金援助を全て打ち切ると表明しました。アメリカはこれに先立ち、南アフリカが白人に対する差別を行っているといった主張を展開し、南アフリカへの援助を停止していました。

南アフリカ政府は、米大統領の行動と「南アフリカの資産および領土への侵害」への対処として、自国内におけるすべての米国企業の活動を停止するとともに、米国への鉱物輸出を停止しました。

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