国連アフガニスタン特別代表でUNAMA・国連アフガニスタン支援ミッション代表のローザ・オトゥンバエワ氏は、アフガンに関する国連安保理会合で、「2025年にはアフガンの総人口の50%以上に当たる約2300万人が人道支援を必要とすることになるだろう」と述べました。
オトゥンバエワ氏は「アフガン人は数十年にわたる内戦、深刻な貧困、気候変動による衝撃、人口の急増、そして特に成人女性と女児向けの保護上のリスクの増大により、深刻な人道危機に直面し続けている」と付け加えました。
また、「支援金の削減は現在、アフガン国民に大きな影響を及ぼしており、この影響は今後も続くだろう」とし、「過去1カ月でアフガンでは200以上の医療施設が閉鎖され、推定180万人が影響を受けた」と語りました。
そして、「アフガンの国際体制への加入を望むか、また望むなら必要な措置を講じる用意があるか否かを決定するのは、現在のアフガン暫定政権の責任である」と述べました。
米国とこれに同盟するNATO・北大西洋条約機構構成国は2001年10月7日、テロとの戦いと安全・安定の確立を口実にアフガニスタンに侵攻しました。しかし彼らは20年間の占領の挙句、2021年8月15日に同国から撤退し、一方でアフガンはテロ、情勢不安、貧困、失業などがあふれた状態となっています。
2021年5月、米ブラウン大学は、20年にわたる米国のアフガン戦争に関する報告書を発表し、「この戦争で24万1000人のアフガン人が殺害された」としました。もっとも、この統計には、病気による死亡、食糧、水、インフラの不足、あるいは米国のアフガン侵攻によるその他の間接的な影響による事例は含まれていません。
加えて、米国およびNATOがアフガン市民らに残したもう一つの負の遺産として、難民や移民の大量発生が挙げられます。現在、800万人以上のアフガン難民がイランやパキスタンなどの近隣諸国や世界各国に散在しています。アフガンは世界で最多数の難民を抱えており、OHCHR・国際連合人権高等弁務官事務所に登録されているアフガン難民の総数は2700万人に達しています。
また、子ども支援活動を行う、民間・非営利の国際組織セーブ・ザ・チルドレンの報告によりますと、現時点で2000万人のアフガンの子どもたちが、戦争で残された爆発物によって命を失う、または障害を負うのではないかという恐怖の中で毎日朝を迎えているということです。さらに、そのうち380万人が人道支援を必要としているほか、60万人が急性栄養失調に苦しんでいます。
ある統計によりますと、戦争前には食糧不安の状態にあるアフガン人は全体の62%だったのが、戦争後にはその数字は92%にまで上昇したということです。さらに、アフガンでの貧困率は戦争開始前には80%だったのが、20年にわたる戦争後には97%にまで上昇しています。
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