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source : Parstoday
日曜日

6日 8月 2023年

19:56:37
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ウクライナと東欧諸国、穀物めぐりにわかにすきま風

ロシアによる攻撃開始以来、積極的にウクライナを支援してきた東欧諸国。しかし、ここに来てウクライナとの関係にすきま風が吹いています。背景には東欧諸国に流入するウクライナ産穀物があります。

ウクライナ外務省とポーランド外務省は1日、それぞれの国に駐在する相手国大使を召喚しました。発端は、ポーランドの大統領顧問が、同国のウクライナ支援について「ウクライナは感謝すべき」などと語ったことでした。

ロイター通信によると、ポーランドがウクライナ産穀物の輸入制限措置を延長する可能性について、同顧問は「ポーランドの農家の利益を守ることが最重要」とし、「ポーランドが過去数カ月、数年にわたりウクライナのために果たしてきた役割について、ウクライナが感謝し始めることは価値があるだろう」と述べました。

これに対し、ウクライナ外務省は、ポーランド大使を呼び出し、「ウクライナ市民がポーランドの支援に対し恩知らずとする発言は真実でなく、容認できない」と伝えました。

一方のポーランド外務省も、対抗してウクライナ大使を呼び出したと伝えられています。

ポーランドはウクライナ戦争開始以来、隣国として積極的に難民を受け入れるなど、ウクライナ支援国の筆頭に立ってきました。

その関係がここに来てこじれているのは、ウクライナ産の穀物が原因です。

ウクライナ戦争以降、黒海を経由した輸出が困難となったため、大量のウクライナ産穀物が陸路で隣国に流れ込みました。

加えて、EUはウクライナの歳入確保を支援するため、同国からの輸出品に対する関税を引き下げる措置をとりました。

これにより、ウクライナの近隣諸国では穀物価格の下落が生じ、農家らを中心に抗議の動きが広がっていました。

EUは今年6月、ポーランド、ブルガリア、ハンガリー、スロバキア、ルーマニアに対し、ウクライナ産穀物の輸入を9月15日まで禁止することを認めました。

しかし、ポーランドは7月、EUに対して禁輸措置の延長を求め、合意が得られない場合は一方的な延長も辞さないと主張。これにウクライナ側が反発する姿勢を見せていました。

ウクライナ産穀物の輸出をめぐっては、ロシアがいわゆる穀物合意の履行を停止したことから、依然先行きが見通せていません。

戦争が長引くにつれ、これまでウクライナを支援してきた国々の間でも、支援疲れの声が出ています。

今回の穀物をめぐるウクライナと周辺諸国の対立は、これまで一枚岩でロシアに対峙してきた関係に変化をもたらす可能性があります。