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source : Parstoday
火曜日

14日 3月 2023年

13:42:47
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イラン・サウジ間合意が米に及ぼす影響

アメリカにあるシンクタンク「ワシントン近東政策研究所」のサイモン・ヘンダーソン上級研究員が、イランとサウジアラビアの国交再開合意がアメリカに及ぼす影響について、「アメリカの外交政策界のかなり多くの部門が、イランとサウジの合意の意味の分析に追われるだろう」との見解を示しました。

イランとサウジアラビアは11日金曜、中国・北京での交渉において、7年ぶりに外交関係を正常化することで合意しました。

この合意に基づき、両国外相は今後2か月間以内に会談を行い、互いの国への大使派遣、自国大使館の再開、国交正常化に向けたその他の要件を整えることになっています。

サウジアラビアは2016年1月3日、テヘランにあるサウジ大使館とイラン北東部マシュハドにあるサウジ領事館が複数の者らに襲撃されたことを口実として、イランと一方的に断交しました。

ヘンダーソン研究員は、今回のイラン・サウジの合意について「サウジは、バイデン米現政権と与党民主党の不支持を理由に、対イラン協力を決定した」と述べています。

また、「サウジアラビアの見解は変わってきており、イランとの対立から引き下がろうとしている」としました。

こうした中、イギリスの政治評論家スティーブ・ベル氏は、イラン・サウジ間合意を歴史の新時代の幕開けを告げる吉報だとし、「この合意のもと、多極主義が諸国民にとっての利益となるべく台頭してくるだろう」と語りました。

また、「この合意は、この2つの大きな経済国および、そのほかのペルシャ湾岸諸国の間の相互排斥の激化を煽る侵略的な勢力の動きを防いだ」としています。

加えて、「この合意は、イエメンの外交的解決に寄与する可能性がある」と述べています。

米CNNも、今回のイラン・サウジの合意を解説する中で、「近年、サウジとUAEアラブ首長国連邦は、経済発展に焦点を当てって、地域にある大半のライバル国との緊張緩和へと動いている」と報じました。

サウジは、サルマン前国王が2015年に権力を握った後、その息子で現在のサウジの政治の実権を掌握しているムハンマド皇太子が採用した敵対的外交政策から後退しました。

イラン・サウジアラビアの間の冷戦は、地域のほぼすべての紛争に影響を与えています。したがって、この冷戦の終結は、地域に大きな影響を与える可能性があります。

米ワシントンD.Cにある西アジア研究所のシニアフェローで、ジョージ・ワシントン大学で教鞭をとるFiras Maksad教授は、イエメンはイランとサウジの両国にとって優先事項である可能性が高いと述べました。