日本の報道各社が3日金曜、複数の日中外交筋の話として報じたところによりますと、後任は呉江浩・外務次官補(59)をあてる方針です。
中国は、日本での勤務経験が豊富な知日派の呉氏の起用で、関係が冷え込む対日外交の安定化を目指す考えと見られます。
孔氏は、日中関係が改善基調にあった2019年に大使に着任し、今月いっぱいで帰国する方向だということです。
日本と中国は、1972年の9月29日、当時の田中角栄首相と周恩来首相が日中共同声明に調印し、国交を正常化させました。
先の戦争など複雑な歴史を抱えながらも実現した国交の正常化は、両国の交流拡大につながりました。
2022年9月に、日本と中国は国交正常化50周年という節目の年を迎えました。
この間、両国の経済面での結びつきは深まった一方、中国の軍事力や人権などをめぐる日本側の警戒感は強まり、国民感情は必ずしも「良い」とは言えない状況です。
日中関係はさらに、尖閣諸島問題や台湾問題、米中対立を受けて冷え込みが続いていますが、日本政府は50周年の節目を機に関係改善の糸口を探ろうとしています。
日中関係は「引っ越しできない隣人」にも例えられ、安定した関係の構築や平和的な共存は、長期的には相互の利益につながることから、両国として何ができるかが、今、改めて問われています。
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