自由民主党の重鎮である高市早苗氏が、衆議院において日本初の女性首相に選出され、歴史的な一歩を踏み出した。石破茂前首相の退陣後、保守強硬派として知られ、安倍晋三元首相の理念を継承する高市氏は、革新政党との新たな連立により政権を掌握。男女格差や経済危機、米国や中国との地政学的緊張の中、国内外の課題に直面する。
アフルル・バイト通信社(ABNA): 高市早苗氏(64歳)は、2025年10月21日、衆議院の特別会期において465議席中237票を獲得し、過半数を4票上回る支持を得て、第104代内閣総理大臣に選出された。これは、日本で初めて女性が首相に就任する歴史的瞬間であり、議会の女性議員比率がわずか16%、世界経済フォーラムの2025年ジェンダーギャップ報告書で日本が148カ国中118位(政治的エンパワーメントでは125位)という、G7中最下位の状況下での快挙である。
高市氏は、石破茂前首相が1年余りの在任中に、2024年10月の衆議院および2025年7月の参議院での選挙敗北と政治資金スキャンダルにより与党の過半数を失った後を受けて就任。自由民主党(自民党)は、26年間の連立相手であった公明党の支持を失い、危機的状況に直面していたが、保守色の強い日本維新の会(代表:吉村洋文大阪府知事)との直前の合意により、高市氏の首相就任が実現した。この連立は、議員定数10%削減や移民管理の強化を約束するもので、野党の分裂と統一候補不在により対抗勢力は政府形成に失敗した。
マーガレット・サッチャーを敬愛し、「鉄の女」を目指すと公言する高市氏は、1990年代から政治家として活躍し、経済安全保障や内務の閣僚を歴任。安倍晋三元首相(2022年に暗殺)の後継者として、「アベノミクス」の積極財政を継承し、平和憲法の改正や軍事力強化を主張する強硬なナショナリストとして知られる。靖国神社への頻繁な参拝は、中国や韓国など近隣諸国から帝国主義の象徴と見なされ、地域関係の緊張を高める可能性がある。
女性初の首相として注目される一方、高市氏は同性婚や夫婦別姓制度に反対し、皇位継承の男性限定を支持するなど、フェミニスト政策の推進者ではない。それでも、議会の女性比率向上や、北欧諸国並みの男女平等な閣僚構成、介護負担でキャリアを諦める女性への支援を公約。自身の更年期症状についても公に語り、女性の社会参加を後押しする姿勢を示した。新内閣は、片山さつき氏(財務)、小野田紀美氏(経済安全保障)、鈴木憲和氏(農林水産)、小泉進次郎氏(防衛)、茂木敏充氏(外務)らを起用し、女性や若手の登用を進める予定だ。
高市氏は、米の価格が昨年からほぼ倍増するなど高騰する生活費、低出生率、労働力の減少、高齢化、移民への反発といった国内課題に加え、ドナルド・トランプ米大統領の来日を控え、貿易戦争や関税がアジア経済を揺さぶる国際的課題に直面。自民党は過去5年間で4人の首相を輩出し、数十年来の危機に瀕しているが、高市氏と維新の連携は、憲法9条改正など自民党の保守理念を再強化する。新政権は、日本を次世代に責任を持って引き継ぐため、改革と安定を掲げて動き出す。
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