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source : Parstoday
土曜日

7日 10月 2023年

17:17:28
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反平和的活動に授与されるノーベル平和賞

スウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベルが、私財を投じて5つの分野への賞を創設した時、そのうちのひとつの平和賞が、世界の平和に寄与する活動をしていない人物、さらにはそれに反対する人物に贈られるとは、よもや想像していなかったでしょう。

イルナー通信によりますと、アルフレッド・ノーベルは遺言で、平和賞について「国家間の友好関係、軍備の削減・廃止、及び平和会議の開催・推進のために最大・最善の貢献をした人物・団体」に贈られるべきと記していました。

現在、ノーベル平和賞は、ノルウェー国会が指名する5人からなるノルウェー・ノーベル委員会により、政治的な志向を抜きにして受賞者が選ばれます。

しかし、平和賞は時の経過とともにノーベルの遺言から逸脱し、西側諸国の政治的目的の達成や西側諸国が敵対する国への圧力手段として利用されるようになりました。

ノーベル平和賞は、多くが西側の広く知られた犯罪者や、西側のライバル国と対峙するため西側の手先となった東側の裏切り者に対して贈られるなど、もはやそこには何の権威もありません。ノーベル平和賞はノーベル政治賞と名前を変えたほうがいいと言えます。

そして、この6日金曜、ノルウェー・ノーベル委員会は新たな政治的行為として、イラン市民のナルゲス・モハンマディー氏にノーベル平和賞の授与を決定しました。

 ナルゲス・モハンマディー氏とは?

ナルゲス・モハンマディー氏は、国外で活動する国民・宗教団体メンバーのタギー・ラフマーニー氏(現在はフランス在住)の妻であり、政治団体「人権擁護センター」や「平和のための国民評議会」の創設者で弁護士のシーリーン・エバーディー氏(2003年ノーベル平和賞受賞)とも活動をともにしていました。

モハンマディー氏は、西側諸国によるイランへの制裁を支持し、一部のテロ組織とも協力していました。

夫のラフマーニー氏も在住先の仏・パリで、イラン反体制派や過激派テロ組織、諜報組織などと協力しています。

モハンマディー氏は、2009年にイラン大統領選挙の結果をめぐって大規模な暴動が起きた際、エバーディー氏が代表を務めていた「人権擁護センター」で人権や国益に反する活動に従事したため、その後出国禁止処分を受け、その翌年に逮捕されました。

さらに2021年には、反体制的扇動、刑務所内での籠城、刑務所責任者への反抗、器物損壊、名誉毀損などの罪で再度収監されました。

こうした中、一国の法のもとで有罪となり服役している人物にノーベル平和賞が贈られることは、人権の概念を政治化し、別途の大義名分での内政干渉行為であるとしか言い様がありません。

ノーベル賞委員会は今回の反人権的な決定により、世界の平和に向けた歩みを進めないばかりか、平和・自由・博愛といった高貴な概念にも疑問を呈し、歪曲したのです。



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