報道各社によりますと、中国が処理水放出を強く批判する中、福島第一原発の処理水放出後、初めて日中首脳が顔を合わせるこの会議で、岸田首相は冒頭において処理水には直接触れませんでした。
岸田首相は「世界が気候変動、国際保健の諸課題、またロシアによるウクライナ侵略といった複合的危機に直面し、また国際社会の構造的な変化が進む中、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化することが不可欠です」と語っています。
一方、中国の李強首相も冒頭、処理水放出には直接触れず、「意見の相違などについて誤解を解き、共に向き合うことが重要だ」などと述べました。
今回の会議には、日中首脳のほか、韓国のユン・ソクヨル大統領、ASEAN諸国の首脳が出席しています。
中国が日本産水産物の輸入禁止措置に踏み切る中、岸田首相は、改めて処理水の安全性や透明性への取り組みについて説明し、理解を広げたい考えです。
なお、日本の外務省によりますと、岸田文雄首相は6日、ジャカルタで中国の李強首相と短時間、立ち話をしました。
岸田氏は海洋放出についての日本の立場を改めて説明しました。岸田首相は、中国による日本産水産物の輸入停止措置の即時撤廃や、処理水に関する両国の専門家同士の協議の場を設けるよう求めたとみられます。
一方でユン大統領は6日、日中韓首脳会談の早期再開への意欲を示し、「（日中の首脳と）緊密な連絡を取る予定だ」と語りました。
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