ABNA24 : ハーメネイー師は21日日曜、イラン太陽暦の1400年の幕開けに際してのテレビ演説において、今年6月に予定されている大統領選挙に触れ、「特にアメリカおよびシオニスト政権イスラエルを初めとする一部の国の諜報機関は、しばらく前から本年6月の選挙を不首尾に陥れ、これを達成すべく、バーチャル空間を最大限に利用して国民の意欲を萎えさせようとしている」と述べています。
また、「経済封鎖や制裁は、複数の国の政府による大罪の1つだ」と強調し、「特に1つの国民に制裁の矛先を向け、医薬品や医療器材を入手できないようにすることは、まさに犯罪に他ならない」としました。
そして、「アメリカ前政権による最大限の圧力行使政策は失敗した」とし、「アメリカ現政権が最大限の圧力政策を追求すれば、またもや失敗することは目に見えている」と語っています。
さらに、「(ドナルド・トランプ氏率いる)アメリカの愚鈍な前政権が最大限の圧力行使政策を計画したのは、イランを弱い立場に陥れ、協議の場に引きずり出して、イランに対し覇権主義的な要求を押し付けるためであった。だが、あの輩は無様な醜態をさらしながら政界を去り、自身とその国の双方の恥をさらしたが、イランは権力と尊厳を持って存在し続けている」と述べました。
続けて、核合意についても「核合意自体および、この合意の各相手国との折衝に関するわが国の方針は明白に発表されており、我々は決してこの方針に違反することはない。それは、この方針は既に公表済みであり、また合意に達したものだからである。アメリカは全ての制裁を解除しなければならない。その後我々はそれを検証・査定し、本当の意味で解除されれば、何の問題もなく本来の責務履行に復帰する所存である。我々は、アメリカの発言を有効とみなしていない」としています。
ハーメネイー師はまた、「アメリカ側の一部の輩は、核合意が変更されるべきだと言っている」とし、「然り、状況は2016年や2017年とは大きく様変わりしている。だが、それはアメリカとって都合のよい変化ではなく、我々の利益となる方向に変化した。イランは、2015年から現在までの間に、はるかに強くなっている。これゆえ、核合意が変わるのであれば、イランの利益となるべきである。それは、我々が制裁を無効化させたからだ」と語りました。
さらにアメリカに対し、「あなた方は日を追うごとに益々泥沼にはまり、(バイデン)現大統領の運命さえもどうなるか定かではない。我々も、チャンスを活用すべきだとは考えているが、性急になってあせるつもりはない。それは、一部の場合においては利益よりもリスクの方が多いからである。我々は、オバマ政権時代のアメリカを信用し、核合意にそってやるべきことをやった。だが、彼らは自らの約束を果たさず、紙面上で、制裁が解除されたと言っていたが、投資家をおびえさせた。彼らの約束は我々にとって無価値だ」と述べています。
そして、「アメリカは、我々への対応法を誤り、また地域問題全体においても過ちを犯している」と強調し、「シオニスト政権イスラエルへの肩入れや、シリアへの私利私欲的な駐留は完全な過ちだ」としました。
最後に、「イスラム共同体は、パレスチナ問題を忘却し断念することはない。また複数の国による対イスラエル関係の正常化は、重要な問題ではない」と強調し、「イエメン侵略は、トランプ前政権以前の民主党政権時代に開始されており、アメリカはイエメンに対する犯罪に関与している共犯者である」と結んでいます。
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