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source : Parstoday
月曜日

22日 4月 2024年

15:50:20
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西側はなぜ全ての名誉をイスラエル支援のために捨てるのか?

西側がシオニスト政権イスラエルを支援する主な理由の一つには、同政権の占領するパレスチナが、戦略的に重要かつ慎重さを要する西アジアにおいて地理的地位を有していることが挙げられます。

シオニスト政権イスラエルがガザで犯罪を開始してから約7カ月が経過していますが、同政権は、アメリカをはじめとした西側の指導者や当局の支援を受けながら、ガザ内にとどまらずその外でも、未だに犯罪を続けています。

歴史が示しているように、シオニスト政権は、第二次世界大戦後の1948年に違法に樹立されて以降、西側諸国、中でもアメリカから支援を受け続けてきました。長年にわたるこの支援については、さまざまな理由が挙げられています。

アメリカ国際開発庁の発表によりますと、1946年から2023年までに同国がイスラエル政権に行った支援の総額は、2600億ドルと推定されています。

1980年代にイラン・イスラム革命防衛隊の総司令官を務めたモフセン・レザーイー氏は、ある演説の中で、覇権体制がイスラエル政権を支援する目的について説明しています。

同氏は、西側のイスラエル政権支援の第一の目的が、圧政者と対峙する基本的イデオロギーであり、圧政下の人々の助けでもあるイスラム教との対決にあるとしました。そして、そのために西側が取っている方法として「鎚と鉄床戦術」を挙げました。この戦術において、鎚はイスラエル政権、鉄床は西側につながる西アジア地域諸国政府となります。植民地主義者である西側は、この二つの勢力を使って、地域のイスラム諸国民の抵抗を挟撃でつぶそうとしているのであり、そこから彼らの主な目的が、イスラム教との対決にあると分かります。

レザーイー氏はまた、西側のイスラエル政権支援の第二の目的を、産業の重要な要素たる石油資源を支配することにあるとしました。西側が描いた策は、西アジアにイスラエル政権を樹立することで恒常的にこの地域を争乱が起きる不安定な状態に保ち、それによって、地域諸国の発展と産業化を妨げる、というものでした。彼らは、自分たちの産業のために西アジアの石油を持ち去るには、この地域の国々を不安定で発展途上のままにすべきだと考えたのです。西アジア諸国が産業化すれば、産出する石油の全てを自分たちのために使い、この地域から石油が輸出されることはなくなります。例として、現在石油輸出国であるイランは、もし国内で産業サプライチェーンが完成すれば、石油を100万バレル輸入する必要に迫られるでしょう。

さらに同氏は、西側のイスラエル政権支援の第三の目的を、同政権が占領しているパレスチナが有する西アジアでの地理的地位を利用し、西側が東方に入り込む橋を確保することにあるとしました。西側の諸大国は、地域大国が自分たちの東方進出に立ちはだからないよう望んでいます。彼らは西アジアを、中国とロシアのコントロールを見据えた東方との関係および自身の影響力拡大に役立つ地域とし、イスラエル政権を、この地域における自身の軍事的・経済的拠点として、西側に利益をもたらす存在と考えているのです。

 ロバート・ケネディ・ジュニア氏の話

レザーイー氏のこの分析を裏付ける証拠として挙げられるのが、今年のアメリカ大統領選挙に出馬を表明しているロバート・ケネディ・ジュニア氏の話です。ケネディ氏はその中で、アメリカと西側がイスラエル政権を支援する目的について明言しました。

「イスラエルは、我々にとって防波堤だ・・・中東(=西アジア)に空母を配備しているのとほぼ同様だ。イスラエルは、我々の最も古い盟友だ。イスラエルが消滅すれば、ロシアや中国、BRICSプラスの諸国が世界全体の石油の90%をコントロールすることになり、我が国の国家安全保障に大惨事をもたらすだろう」

ケネディ氏のこの発言から、覇権体制がイスラエル政権を支援する目的が分かります。彼らはイスラエル政権が、西側の石油利権に沿って西アジアの発展を妨げる存在として、そして、東方への入り口・通路として、西側の利益確保という重要な役割を果たせると考えているのです。

以上をまとめると、歴史ある地域大国の力の増大阻止、西アジア地域の地理的地位や天然資源の利用、同地域の持つ戦略的重要性が、西側がイスラエル政権を支援する主な理由だと言えます。アメリカをはじめとした西側のイスラエル政権支援がこのような理由を持ち、ユダヤ人の擁護でないことは、知っておく必要があります。