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米同時多発テロの首謀者の裁判

米同時多発テロの首謀者の裁判

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件20周年記念を数日後に控え、この事件の首謀者・黒幕として起訴されているハリド・シェイク・モハメド被告および、他4人に対する公判がアメリカで再開されています。

ABNA24 : ハリド・シェイク・モハメド被告および他の被告らは、15年間にわたりキューバ・グアンタナモ刑務所に収監され、2019年の初め以降は初めての出廷となります。

被告人らはこれまでの裁判の多くにおいて、アメリカ政府側から提出された証拠を否認しており、それらがCIA米中央情報局の拘置所で収監者らに対する拷問により得られたものだと供述しています。

一方、被告側の弁護人団は、被告人らのうち5人は身体的に弱っており、2002年から2006年までの間にCIAから受けた激しい拷問による後遺症に苦しんでいると述べています。

アメリカ政府は人権擁護の旗印を掲げておきながら、テロ対策という大義名分のもとに歴然とした人権侵害的な多数の行動に出ています。中でもその代表的な例が、テロ事件の被告を故意に水中で溺れさせるといった残忍な拷問です。

アメリカは9.11テロ事件発生後、テロ対策計画の枠組みでテロ組織アルカイダのメンバーであることが疑われる人物を世界各地で逮捕・取調べできるシステムを設置しました。これにより、アルカイダとの協力が疑われる一連の人物らが、裁判所の逮捕令状なしにアメリカ国外の秘密の場に収監され、残忍な方法で取り調べを受けさせられました。

9.11テロ首謀者および共謀者らの裁判は、この事件から20年の節目を迎える時期に始まりました。この事件は、アメリカの対外政策における転換点と言えます。

当時のブッシュ米大統領は9.11テロ発生後、世界規模でのテロ対策という大義名分のもと、侵略的なアプローチをとり、アフガニスタンとイラクを攻撃しました。アメリカによるイラク占領およびその影響は最終的に、同国やシリアで多数の犯罪を引き起こした、イスラム国を自称するISISなどのテロ組織の形成につながりました。こうした、いわゆる国際的な対テロ戦争において、イラクやアフガン、シリア、リビア、イエメンで100万人以上が命を落としています。

同時に、アメリカ同時多発テロとテロリストたちによる対米攻撃の脅迫は、その後のアメリカの政権がイスラム教徒を対象とした一連の各種制限や圧力の強化をめざす上での手段と化しました。

これに関して最も多くの行動に出たのがトランプ前米大統領であり、この人物はテロとの戦いと銘打って、自らの行動や攻撃の矛先をイスラム教徒に向けました。

これに関して特筆すべきなのが、イスラム圏6カ国の出身者に対するアメリカ入国制限を定めた大統領令への署名、ならびにイスラム教徒を名指しでテロリスト呼ばわりしたことです。トランプ大統領は、大統領選挙運動中に、テロ組織ISISの結成にオバマ旧政権が関与していたことを明白に強調しています。

ロシアの政治評論家イワン・イポリトフ氏は、「近年におけるアメリカの目的は常に、テロや過激主義を手段として利用することだった」とコメントしています。

9・11テロに関してアメリカ側が完全に見て見ぬふりをしている最も重要な問題は、実行犯たちへのイデオロギー強化や、資金・運搬援助におけるサウジアラビアの行動です。

サウジは過激なイデオロギーであるワッハーブ派の伝播に最も大きく関与しています。2016年7月に発表された米議会の報告では、9・11テロの実行犯19人のうち、15人がサウジアラビア国籍者であったことが明記されています。

この問題により、アメリカ議会でJASTA・「テロ支援者制裁法」が可決され、この法律に基づいて9・11テロの犠牲者の遺族らには、同テロの実行犯への幇助を理由にサウジ当局や政府を相手とした訴訟を起こすことが許されました。しかし、オバマ旧政権やトランプ前政権はいずれも、この法律の施行が米・サウジ関係に悪影響を及ぼすとして、その実施を事実上阻止しました。なお、バイデン現政権は犠牲者の遺族らからの圧力をうけ、9・11テロ関係の証拠文書の機密扱い解除に向けた、これらの書類の再検討を命じたことを明らかにしています。

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