訪日ムスリム観光客は140万人突破へ、高まるインバウンド需要

訪日ムスリム観光客は140万人突破へ、高まるインバウンド需要

イスラム諸国の人々にとって日本は好ましい旅行先とみなされているようだ。マスターカードとクレセントレーティングが先日、発表した「ジャパンムスリムトラベルインデックス2017(JMTI)」によると、訪日ムスリム(イスラム教徒)旅行客の数は2004年の15万人から2016年には70万人まで増加。2018年には100万人を超え、2020年には140万人に達するとみられている。

背景には近年の日本政府が進めてきた、東南アジア諸国からの旅行者に対するビザの緩和がある。マレーシアやタイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムといった諸国は多くのムスリム人口を抱えている。これらの国々は米トランプ政権が定める「入国禁止対象国」には含まれてはいないものの、「日本は米国とは逆のアプローチをとってきた」とハラールメディアジャパン代表の横山真也は述べている。

「日本は過去70年にわたりASEAN諸国の発展を支援してきた歴史があり、近年はこれまで以上にムスリムの旅行者や学生らを歓迎している」

2019年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピックの開催を控え、日本では観光業に関わる人々の間で、ムスリムの人々のファッションや食事、信仰について理解を深める動きが活発化している。今回で3回目を迎えた「ハラールエキスポジャパン2017」には約8000人が集い、ヒジャブのファッションショーやハラール料理のイベント等が行われた。

また、ムスリムの人々にとって非常に重要なのが、日々のお祈りだ。米国のピュー・リサーチのデータによると、ムスリムの人々の50%以上は一日に5度のお祈りを欠かさない。日本は神道と仏教の国として知られるが、国内のモスクの数は2013年の86か所から、2017年には100か所程度にまで増えている。

政府もムスリムの観光客の受け入れを促進する中で、成田空港や羽田空港、関西国際空港では礼拝室の整備も進んでいる。同様な動きは大手百貨店の間でも進み、新宿高島屋にも礼拝スペースが設置された。

米トランプ政権が反ムスリムの姿勢を強める一方、ムスリムの人々を暖かく迎え入れようとする日本は今後、ますます多くのASEAN諸国からの旅行者たちを受け入れ、観光収入の増加を期待できそうだ。

編集=上田裕資

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